弘前市街地から岩木山神社を越え、岩木山の麓にある、「嶽温泉郷(だけおんせんきょう)」。
宿泊や日帰り温泉等もできますが、大手ホテル予約サイトに載っていない施設もあることから、穴場の温泉・宿泊スポットです。
昨年末源泉の温度が極端に下がり、温泉が利用できないという危機に見舞われていました。
幸い春を迎えるとともに、少しずつ源泉温度も上がり、この夏は日帰り入浴も楽しめる状態に戻ってきました。
そんな嶽温泉について、これまでの歴史や、2023年夏現在利用できる宿についての情報をお届けします。
嶽温泉とは
嶽温泉は、今から350年程前に発見されたと伝えられています。
旧百沢村の林業者が、自分の弁当をくわえた狐を追いかけた時に、雪の中湯気が立ち上る場所を偶然見つけたのが始まりとされています。
発見者は、その湯に誰でも入れるようにと笹小屋をかけたといいます。
江戸時代に作成された温泉番付のひとつ、諸国温泉効能鑑では前頭2段目に「津軽嶽の湯」として記載され、津軽の温泉地の中では最上位とされていました。
かつては中央に共同浴場を置いていましたが、現在は廃止され、各々の宿で入浴できるようになっています。
泉質は硫化水素性で、ミョウバンや緑バンを含む酸性塩化土類泉であり、硫黄の匂いが濃い温泉です。
岩木山の登山口からほど近いので、登山しようとする者が投宿したり、下山した際に休憩したりする場所として重宝されています。
また、夏には名産品の嶽きみ(とうもろこし)が採れるため、買い求めがてら温泉を楽しむお客さんも訪れ賑わいます。
古来から親しまれている温泉地ですが、2022年末、原因不明の源泉温度低下と湯量の減少という事態に見舞われます。
いくつかある源泉のうち、通常80℃ほどの源泉が約50℃まで低下。
更にその源泉の湧出量も通常の5分の1ほどまで減ってしまいました。
全国的に、温泉地での源泉温度低下や枯渇の不安などが囁かれていますが、明確な理由はわかっていません。
嶽温泉では、お客様に入浴いただける温度で供給できないため、休業せざるを得ない宿が出てきました。
またランドマーク的存在であったホテルが廃業するなど、暗いニュースが続いてしまいました。
しかし、2023年春頃から少しずつ温度・湯量ともに上昇し、現在はほぼ通常通りに営業しています。
嶽温泉郷の宿泊または日帰り入浴ができる施設について、個別に紹介していきます。
【宿泊/日帰り】小島旅館
嶽温泉旅館組合を束ねている、小島旅館。
嶽温泉の中では客室数が多く、飾らず気取らず山間の宿らしい和室を備えた老舗温泉旅館です。
地場産品を使った料理も人気で、湯の花で白濁したお風呂は宿泊者なら24時間(清掃時間を除く)いつでも何度でも楽しめます。
〇施設名:小島旅館
〇場所:弘前市常盤野湯の沢20
〇電話:0172-83-2130
〇宿泊:受付中
〇日帰り入浴:可能 10:00~16:00
〇公式
・HP http://kojimaryokan.com/
・X (Twitter) https://twitter.com/kojimaryokan
【宿泊のみ】縄文人の宿
貸切宿のため、現在日帰り入浴は対応していません。
宿泊予約も電話対応のみとなっており、なかなか予約が取れませんが、宿全部が貸切になりますので、家族やグループで一度は泊まってみたい宿です。
夏期は土日にお団子やクレープをテイクアウトで販売する予定です。
〇施設名:縄文人の宿
〇場所:弘前市常盤野湯の沢14
〇電話:0172-83-2123
〇宿泊:受付中
〇日帰り入浴:不可
〇公式:無し
★併せて読みたい★
【縄文人の宿】岩木山麓嶽温泉 1日1組限定完全貸切の宿
【宿泊/日帰り】嶽ホテル
嶽温泉の入口にある、木のぬくもりと嶽温泉の硫黄の香りにこだわった家庭的な宿。
総ヒバ造りの内湯と、嶽温泉では珍しい屋根付き露天風呂で、岩木山を感じながら湯浴みを楽しめます。
〇施設名:嶽ホテル
〇場所:弘前市常盤野湯の沢28-1
〇電話:0172-83-2045
〇宿泊:受付中
〇日帰り入浴:可能 10:00~17:00
※ただし宿泊客ありの場合は15:00まで
〇公式
・FaceBook https://www.facebook.com/dakehotelonsen
・X(Twitter) https://twitter.com/dakehotel
【宿泊/日帰り】田澤旅館
大正4(1915)年創業のこぢんまりとした老舗温泉旅館。
隣接する食堂の中華そばは、登山客や観光客はもちろん地元津軽の方にも人気です。
夏場は店頭で嶽きみの販売もあり、お土産に買うお客さんも多く賑わっています。
〇施設名:田澤旅館
〇場所:弘前市常盤野湯の沢10
〇電話:0172-83-2752
〇宿泊:お問い合わせください
〇日帰り入浴:可能 7:00~18:00
〇公式:無し
【宿泊/日帰り】西澤旅館
自炊も可能な、昔ながらの宿。
浴室はレトロなタイル貼りです。
日帰り入浴は、終了時間=受付最終時間。
受付さえ時間内であればゆっくり入浴できます。
また、温度等その日の温泉の状態は電話での問い合せに対応しています。
〇施設名:西澤旅館
〇場所:弘前市常盤野湯の沢15
〇電話:0172-83-2754
〇宿泊:受付中 第3火曜休み
〇日帰り入浴:可能 夏期8:00~20:30 、9月8:00~18:30
〇公式:無し
【日帰り】赤格子館
簡易郵便局併設という珍しい温泉。
シャワーなし、源泉を惜しみなくかけ流している浴槽がひとつだけ、というシンプルさが、登山客などにも人気ですこちらは不定休となっていますので、入浴を希望する場合はご注意ください。
〇施設名:赤格子館
〇場所:弘前市常盤野湯の沢21
〇電話:0172-83-2734
〇宿泊:無し
〇日帰り入浴:可能 9:00~17:00
〇公式:無し
【宿泊/日帰り】岩木青少年スポーツセンター
様々なスポーツの大会や合宿が開催される体育館や研修室、キャンプ場も備えたスポーツ複合施設。
こちらの大浴場は、日帰り入浴での利用も可能です。
嶽温泉から引いたお湯を気軽に楽しめると、キャンパーからも人気のスポットです。
〇施設名:岩木青少年スポーツセンター大浴場
〇場所:弘前市常盤野常盤野湯段萢1-2
〇電話:0172-83-2338
〇宿泊:受付中
〇日帰り入浴:可能 8:30~11:00、12:30~17:00 (11:00~12:30清掃)
〇公式:HP https://www.iwakisc.aomori-sport.or.jp/
【足湯】岩木さんぽ館
岩木の自然文化を紹介する休憩所の外にある足湯。
嶽温泉のお湯を気軽に楽しめるスポットとして登山客などにも人気です。
夏場は温度が高めのことがありますので、お子さんが利用される場合は大人が先に温度を確認してくださいね。
〇施設名:岩木さんぽ館
〇場所:弘前市常盤野湯の沢149-2
〇電話:0172-83-2093
〇足湯:無料 9:00~17:00、冬季休業
〇公式:無し
これまでもこれからも 岩木の湯っこ嶽温泉
一時は廃業が連鎖するのではないかと心配された嶽温泉。
現在は少しずつ客足も戻ってきたものの、まだまだ嶽温泉は入浴できないと思われているのか、元通りの人出とはいかないようです。
これから登山シーズンを迎えるので、登山客の休息や宿泊利用が期待されています。
津軽には温泉が多く、弘前のまちなかでも気軽に日帰り温泉を楽しむことができます。
しかし、岩木山に抱かれた自然の中で、日常を忘れて心からくつろぐ時間を味わえるのが、嶽温泉の魅力。
車だけでなくバスでも行ける嶽温泉郷、ふらっと訪れてみませんか?
〇嶽温泉郷
〇アクセス
・自家用車で弘前市内中心部から約40分
・弘南バス 枯木平行 岳温泉前 約40分
・夏期は岳温泉前から岩木スカイラインまでシャトルバス運行 岳温泉から八合目まで約30分
〇公式
・嶽温泉旅館組合HP http://www.dake-onsen.com/
・岩木山観光協会HP https://iwakisan.com/hotspring/
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