ねぷた祭り

暑い夏のビッグイベント・弘前ねぷたまつり|開催期間・歴史・見どころをまとめて紹介

暗闇の中、豪華絢爛なねぷたが運行する弘前ねぷたまつり。毎年8月1日から8月7日にかけて開催される弘前市の大イベントです。「幻想的なねぷたの運行を見てみたい」「お祭りの熱気を感じたい」と、お祭に興味がある方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、弘前ねぷたまつりの開催概要や歴史、見どころなどをまとめて紹介します。写真を撮るのにおすすめの場面や上手に写真を撮るコツも解説しているので、弘前ねぷたまつりに行ってみたい方はぜひ最後までご覧ください

弘前ねぷたまつりの基本情報

開催期間毎年8月1日~8月7日
主な開催場所 JR弘前駅・弘前公園と、その周辺地域
開催時刻の目安 アトラクション・出陣式:18時以降 ねぷたの運行:10時もしくは19時
※日によって開催時刻が異なるため公式サイト要確認
駐車場 JR弘前駅、弘南鉄道中央弘前駅などの周辺に多数
※すぐに満車になるため、公共交通機関の利用がおすすめ

弘前ねぷたまつりの歴史は300年前にまで遡る!

弘前ねぷたの始まりは、江戸時代の松明流しや精霊流し。穢れなどを依代に託し、水に流してお祓いする習慣が由来になったとされています。現在確認されている弘前ねぷたに関する最も古い記録は1722年の『御国日記』に残っており、陸奥国弘前藩5代藩主の津軽信寿が「祢むた流」を鑑賞したと記されています。
由来が灯篭流しであったこともあり、当初のねぷたの形は箱型のものが主流でした。ねぷたの形が変化し始めたのは、江戸時代後期です。弘前藩の家格が昇格し、ねぷたの灯篭も大きくなっていきました。
その後、装飾が増えたり人形化が進んだりしてねぷたはどんどん豪華になり、今の形に近づいていったとされています。明治維新が始まると弘前でも混乱が発生し、人形よりも手間や費用が掛からない扇形が主流になりました。現在では大小さまざまな扇形のねぷたが制作や運行の中心になっています。

弘前ねぷたまつりを楽しむコツ

1週間かけて開催される弘前ねぷたまつりは、毎日見どころがたくさんあります。お祭りの初日から最終日まで、時間帯やルートを変えながら行うねぷたの運行は必見!最終日の夕方以降に実施する「なぬかびおくり」も欠かせません。ここでは、弘前ねぷたまつりを楽しむコツを4つ紹介します。

ねぷた祭り

昼と夜に運行するねぷたを見に行こう

弘前ねぷたまつりでは、お祭りの開催期間中は毎日ねぷたが運航します。運行ルートや運行する時間帯は日にちによって異なるので、あらかじめ公式サイトやパンフレットなどで調べておきましょう。
特におすすめの時間帯は、夕方以降です。日が落ちるとねぷたの照明が点灯し、力強い筆致と華やかな彩色が迫力満点のねぷた絵がはっきりと浮かび上がります。暗闇の中で巨大なねぷたが輝いている様子は幻想的ですよ。
日中の運行には、夜とはまた違った見どころがあります。青空をバックに堂々と進んでいくねぷたの様子は圧巻!ねぷた絵の繊細な色づかいが、夜間よりもハッキリと見えやすいのが魅力です。

ねぷた祭り

お囃子と掛け声の音に耳を傾けて

ねぷたの運行を眺めていると、お囃子や和太鼓、掛け声などの音も聞こえてきます。賑やかなお囃子、全身に響く和太鼓、子どもから大人まで大きな声で叫んでいる掛け声に耳を傾けてみてください。
お囃子のリズムや使っている楽器、和太鼓の大きさと数はねぷたごとに異なります。運行の様子を眺めていると、「次はどんなお囃子がなんだろう」「少しずつ和太鼓の音が近づいてきたな」とワクワクしてきますよ。
ねぷたがよく見える場所を陣取って次々と前を通っていく様子を楽しむのもよいですし、お気に入りのねぷたを見つけて最後までついていくのもおすすめです。
弘前ねぷたまつりでは、「ヤーヤドー」という掛け声を使います。語源は諸説ありますが、ねぷた歌の一部にある「いやいやいやよ」が現在の「ヤーヤドー」になったと考えられています。ねぷたと一緒に練り歩いている人たちに合わせて、大きな声援を送ってみてください。

お祭りのクライマックス「なぬかびおくり」も必見

弘前ねぷたまつりでは、お祭りの最終日の夜に「なぬかびおくり」を実施しています。「なぬかび」とは「七日日」「七日盆」のこと。かつてなぬかびにねぷたを水に流していた行事を、現代になってからねぷたを火で燃やす行事に置き換えたのが始まりです。
燃やすのは、役目を終えた一部のねぷたのみ。来年以降も運行するねぷたは「なぬかびおくり」の会場である岩木川の河川敷の周りに集結し、参加者とともに燃え上がるねぷたを見送ります。
火をつけると瞬く間に燃え上がり、あっという間にねぷたが崩れていく様子は、お祭りが終わったんだなと少し寂しい気持ちになります。現地には屋台が並んでいるので、夕食を食べてから会場を後にするのがおすすめですよ。

のんびり楽しむなら有料観覧席もおすすめ!

毎年大勢の人で賑わう弘前ねぷたまつり。約1週間の開催期間で毎年160万人以上が訪れるため、ねぷたの運行がよく見える場所を確保するだけでも一苦労です。
そんな時におすすめなのが、有料観覧席。令和4年度の弘前ねぷたまつりでは、最終日以外は有料観覧席が用意されていました。椅子に座って心ゆくまでねぷたが運航している様子を鑑賞できるので、初めてお祭りを見に行く方や体力に不安がある方は要チェックです。
また有料観覧席を予約した人限定で、青森県産のりんごを使ったりんごジュースや、ねぷたうちわ等の特典をもらえることも。有料観覧席を予約できる時期は、弘前ねぷたまつりの開催日の約1カ月ほど前からです。すぐに予約が埋まってしまうため、利用してみたい方は最新情報をチェックしておきましょう。

弘前ねぷたまつりの写真ポイント

年に1度の大イベント・弘前ねぷたまつり。せっかくお祭りを見に行くのですから、臨場感のある写真を撮って思い出に残したいですよね。そこで、ここでは弘前ねぷたまつりの写真ポイントと、上手に写真を撮るコツを解説します。

個性豊かなねぷた

お祭りの開催期間中、毎日運行するねぷたはとても個性豊か。題材にしているテーマや、ねぷたの形などはそれぞれ異なります。三国志や水滸伝といった中国のお話を題材にした武者絵を描いたもの、弘前市のゆるキャラである「たか丸くん」をモチーフにしたものなどさまざまです。
写真を撮るときは、全体を写してお祭りの様子が分かるようにしたり、ねぷた絵の一部をクローズアップした迫力のある写真を撮ったりしてみてください。ねぷたは常に動いているので、「少し早いかな?」と思うくらいのタイミングでシャッターを切るのがコツですよ。

夜は明かりが灯ったねぷたと引き手をセットで撮ろう

夜に弘前ねぷたまつりを見に行くときは、明かりが灯ったねぷたと、引き手をセットで撮影してみてください。暗闇の中に浮かび上がるねぷたと、法被姿で力強くねぷたを引いていく人たちの写真は、ねぷたまつりらしさ満点!お祭りの全体的な雰囲気もよく分かりますし、思い出に残る1枚を撮れるでしょう。
写真を撮るときは、画面の上3分の2から4分の3にねぷたを、残った下の方のスペースに引き手を写すときれいに撮影できます。また、正面からだけでなく、斜め前から撮ると臨場感のある写真を撮ることが可能です。
ねぷたはかなり明るいため、接近してきたらフラッシュをたかなくてもハッキリと画面に写せます。ISO感度を上げたり、シャッタースピードを速くしたりするだけで十分きれいに撮影できます。

「ねぷた」と「ねぶた」の違いはなに?

どちらもよく耳にするため、何が違うのかが分かりにくい「ねぷた」と「ねぶた」。実は古い歴史資料でも使い方が統一されていないため、どちらが正しいのか、違いは何なのかは現在もハッキリと分かっていません。
参考までに、国の重要無形民俗文化財には、青森市のお祭りは『青森のねぶた』、弘前市のお祭りは『弘前のねぷた』という名称で登録されています。ただし地元民でも「ねぷた」と統一して呼んでいる人がいたり、「青森は「ねぶた」、弘前は「ねぷた」」と使い分ける人もいたりして、違いが明確になっていないのが現状です。

夏は弘前ねぷたまつりの熱気を全身で感じよう

弘前市の夏の一大イベント・弘前ねぷたまつり。毎年8月1日から8月7日までの1週間にわたって開催され、毎日屋台が出たりねぷたが運行したりします。1つ1つ絵柄が異なるねぷたは必見。特に夕方以降、暗闇の中ぼんやりと浮かび上がるねぷた絵は幻想的ですよ!
最終日の夕方以降に実施する祭りのフィナーレ「なぬかびおくり」で、役目を終えたねぷたを燃やす様子は迫力があります。開催期間全体を通して、目で見て耳で聴いて楽しめるのが弘前ねぷたまつりの魅力。夏の弘前市の熱気を感じに、一度参加してみてください。

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