近年、青森県では「若者の地元離れ」が問題になっています。
就職先の少なさやコミュニティの狭さなどから、県外へ就職する方や移住する方が増えてきています。
一方で、地元を活性化させたい、地元を衰退させたくない、という思いを胸に、青森県で活動し続ける方や、Ｕターン転職される方もいらっしゃいます。
今回お話を伺った桃井透さんもその内の一人。
かつて地元である弘前市を離れ県外で就職していた桃井さんですが、Uターン転職で青森県へ戻り、現在は五所川原市にある富士電機津軽セミコンダクタ株式会社の特別顧問として活動されています。
今回はそんな桃井さんへ、会社の活動やご自身の経歴、青森県のおすすめスポット等を伺いました。
青森県五所川原市のものづくり拠点！富士電機津軽セミコンダクタ株式会社とは
富士電機津軽セミコンダクタ株式会社は、大手重電メーカー「富士電機株式会社」の関係会社です。
パワー半導体向けの半導体ウエハを提供しており、様々な電子機器を支えています。
現在力を入れているのが、世界に向けたSICの開発・供給です。
SICとは電気自動車に利用されるパワー半導体で、今年の4月から新たに開発・量産を始めました。
「電気自動車はカーボンニュートラルに向けた大きなトレンドの一つのため、将来的に電気自動車の時代は必ず来ると思います。
私達には、その時のためにSIC供給の準備をしっかり進めていく責任があると考えています。」
私達が半導体ウエハを直接目にすることはめったにありませんが、半導体ウエハは家電製品や自動車、鉄道など様々なものに組み込まれています
同社の製品が組み込まれた電気自動車が青森県を走る日も、近いかもしれません。
働く場があるのなら、青森県へ戻りたい
桃井さんは青森県弘前市のご出身。
岩手大学を卒業後、2年間東京のゼネコン会社で働いていました。
ある時、新聞で五所川原市のエンジニア募集の広告を見かけ、地元へのUターン転職を決意します。
東京や青森県外での暮らしも楽しかったと語る桃井さん。
地元へ戻ろうと決めたきっかけは何だったのでしょうか。
「大学からの約6年間、地元から離れてみて、改めて地元の良さを実感していました。
青森は自然が豊富で春夏秋冬の移ろいがあり、食べ物もおいしく、住みやすくて良い所だと思います。
IT・ものづくり関係の就職先が青森に無かったこともあり、東京で就職していましたが、働く場さえあれば初めから地元で就職したかったという思いもありました。
新聞広告で求人を見かけた時、働く場があるのなら青森へ戻ろうかという考えになりました。」
そして求人を出していた同社（※当時の名称は日立東部セミコンダクタ株式会社津軽工場）へ転職し、何度か県外支店へ配属されながら、約40年間同社へ勤められています。
地域・産業分野の取りまとめ役として
桃井さんは、その後富士電機津軽セミコンダクタ株式会社の代表取締役を経て、2024年4月からは特別顧問となり、少し会社から離れた立場となりました。
同年5月頃からは青森県工業会の会長、青森県自動車関連産業振興協議会の会長も務められ、そこからは地域・地元の仕事が増えてきたんだそう。
今度は地域団体の取りまとめ役として、新たな役目を感じていると言います。
「青森県には、少子高齢化、若者の流出、誘致企業の不足など、いろいろな課題がありますよね。
課題解決のためには、若者が定着して働けるような街づくりを、産学官金が連携して行う必要があると思います。
私はこれまでのものづくりの経験を活かし、産業分野の取りまとめを行い、地域の活性化を目指していきたいです。」
また、長く県内外で活動する中で色々な方との繋がりができたという桃井さん。
取りまとめ役として、人と人を繋ぐことも大事な役割だと感じているのだとか。
「今までまったく接点の無かった人同士を繋ぐことで、面白いコラボレーションや新たな取り組みが生まれるのではないかと思います。
今まで働いていく中で、何か新しい事業を始めようとしても、協力してくれるような人を知らなかったり、どこに相談すれば良いか分からなかったりして、そこで止まってしまうことが多くありました。
そんな時、相談できる先が多くあれば、事業を安定して進めやすくなりますよね。
人との繋がりを多く得た立場として、そんな「繋ぎ師」のようなことも行っていきたいです。」
桃井さんおすすめ 津軽地域の飲食店
最後に、青森県で長年過ごされている桃井さんへ、津軽地域のおすすめ飲食店・観光スポットを伺いました。
まずは飲食店を紹介します。
色々なお店を訪れている桃井さんのおすすめ飲食店、ぜひ訪れてみて下さい！
旬の肴と旨い酒 小鈴
引用：https://tabelog.com/aomori/A0205/A020502/2009512/dtlphotolst/
仕事でも、プライベートでもよく訪れるお店として紹介いただいたのは、五所川原市の「旬の肴と旨い酒 小鈴」。
常連客の他、五所川原駅やホテルに近いことから観光客の方もよく訪れているお店です。
小鈴のお料理はすべて女将さんおまかせ。
旬のお魚や食材を使ったお料理が、小鉢で次々と提供されます。
お料理に使われている海産物は、女将さんがご自身で県内の市場から仕入れたもの。
女将さんは以前魚市場に勤められていたとのことで、目利きが抜群です。
また、お酒は季節限定のものや珍しいものも用意されています。
出てくる小鉢はおつまみにもぴったりで、お酒好きの方からも人気。
桃井さんが特に好きなメニューはアワビとミズの酢の物とさもだしで、箸休め的なお料理が特においしいとのことでした。
○施設名：旬の肴と旨い酒 小鈴
○場所：青森県五所川原市東町3-2
○営業時間：17:00～24:00
○定休日：木曜日
○公式
・食べログ https://tabelog.com/aomori/A0205/A020502/2009512/
創作料理 叶家
引用：https://map.yahoo.co.jp/v2/place/NyBNRbBpekY/photo
同じく五所川原市の「創作料理 叶家」は、コース料理のみを提供しているお店です。
東京で修行されていた店主が提供するお料理は、和食ベースの創作料理。
お魚やお肉の他、季節によっては鍋物等もあり、様々なお料理が楽しめます。
店内は雰囲気が良く女性客も多くいらっしゃるため、女子会にもおすすめです。
○施設名：創作料理 叶家
○場所：青森県五所川原市田町187-5
○営業時間：17:00～23:00
○定休日：日曜日
○公式
・HP https://kanouya.cloud-line.com/
わ食処 ふじや
引用：https://www.hirosaki-kanko.or.jp/details.html?id=CNT00404042036282733
弘前市のおすすめとして紹介いただいたのは、かくみ小路の「ふじや」。
こちらも和食ベースのお店で、季節によってメニューが様々変わるため、何度通っても新しい味を楽しめます。
津軽の郷土料理等もあるため、観光客の方にもおすすめ。
またお値段もお手頃なことから、学生さんも飲み会でよく訪れているのだとか。
常に予約でいっぱいのため、予約してから訪れるのがおすすめです。
○施設名：わ食処 ふじや
○場所：青森県弘前市土手町36-6 プラザシャルマン 2F
○営業時間：17:00～23:00
Saian Patio(サイアン パティオ)
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同じく弘前市かくみ小路の「Saian Patio(サイアン パティオ)」は本格的なスペイン料理を中心に、地中海周辺の国々のお料理を提供しているお店です。
パエリアやパスタ、肉・魚料理、前菜、ワイン等、種類豊富なメニューがあり、スペイン料理のフルコースも楽しめます。
お友達同士やご夫婦で訪れている方が多いですが、個室もあり貸切対応も可能なため、お仕事でもご利用いただけます。
名物料理のパエリアは焼き上がりに30～40分程かかるため、一番初めに注文しておくとスムーズです。
○施設名：Saian Patio
○場所：青森県弘前市新鍛冶町8
○営業時間：12:00～14:00、17:30～20:30
○定休日：火曜日、祝日
○公式
・HP https://saianpatio.net/
桃井さんおすすめ 津軽地域の観光スポット
次に、ぜひ訪れてほしい津軽地域の観光スポットを伺いました。
津軽金山焼 窯場
まずおすすめの観光スポットとして紹介いただいたのは、五所川原市の「津軽金山焼」の窯場。
津軽金山焼は五所川原市金山の伝統的な焼き物で、須恵器の影響を受けた素朴で落ち着いた見た目が特徴的です。
窯場にある「ギャラリー 和土WANDO」ではお皿やカップ、花器、置物など、様々な商品が販売されており、価格帯は1,000～3,000円程と日常使いしやすいお値段です。
毎年春、夏、秋に開催している陶器祭りは多くの人で賑わいます。
正規品が割引価格で購入できる他、色合いが思うように出なかったものや少し形が歪んでしまったものがさらにお得に購入できます。
形が歪んだと言っても問題なく使用できるものばかりで、色合いも味わい深いものが多いため、掘り出し物が見つかりますよ。
正規品の内、特に形が美しいものや重厚なものは数万円で販売されているものもあり、記念品としても最適です。
また、敷地内にある「レストラン山の風」では、新窯で焼いたピザを食べられます。
食器などはすべて金山焼を使用しているので、実際の使用感を確かめることもできますよ。
定期的にピザ作り体験も実施しているので、ぜひ公式Instagramをチェックしてみて下さい。
○施設名：津軽金山焼
○場所：青森県五所川原市金山千代鶴5-79
○営業時間：9:00～17:00
○公式
・HP http://kanayamayaki.com/
・Instagram https://www.instagram.com/kanayamayaki/
・X https://www.facebook.com/kanayamayaki/
弘前公園（弘前城）
弘前市では何と言っても「弘前公園（弘前城）」がおすすめとのこと。
弘前公園といえばさくらまつりが有名。
弘前公園の桜は「桜守」と呼ばれる樹木医の方々によって入念に管理されており、毎年圧倒的な美しさの桜が咲き乱れます。
県外の方と一緒に訪れると、こんなにたくさんの桜が咲き誇っている場所は中々ない、ととても喜ばれるのだとか。
桜の花ひとつひとつも大ぶりで色が濃く、日本全国の桜を見てきたような方からも大絶賛されるそうです。
弘前公園は春のさくらまつりの他、秋は菊と紅葉まつり、冬は雪燈籠まつりを開催し、夏も弘前ねぷたまつりの運行ルートからとても近いため、全季節訪れてみてほしい場所です。
○施設名：弘前公園
○場所：青森県弘前市下白銀町1
青森県の活性化を目指して
今回は、産の分野で様々な代表を務められる桃井さんへインタビューを行いました。
地元で活躍される方々の輪が広がり、若者が定着しやすい地域になると嬉しいですね。
また、紹介いただいた飲食店・観光スポットも、プライベートでもお仕事でおすすめな場所ばかりですので、ぜひ訪れてみて下さい
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