【旅する弘前:前田優子さん】地元民だからこそまだまだ知らない「弘前」を共に楽しむツアー 企画して共に旅するひと

インタビュー

掲載日:2023年2月1日


城下町・弘前。


弘前城を抱く弘前公園周辺には、武家屋敷や忍者屋敷もあり、趣ある庭園や洋館、更にはモダニズム建築の旗手と称される前川國男の建築物など、見るべきもの訪れるべき場所が盛りだくさんの町です。


しかし、生まれも育ちも弘前市民の方ほど、案外そうした名所旧跡には足を運ばないもの。


そして、移住者として弘前で暮らす方々は、どうしたらそこに行けるのか入れるのかがわからずに居る方が少なくありません。


そんな弘前のまちなかを、少人数で楽しめるご当地ツアーがあります。


ツアーを主催する「旅する弘前」代表の前田さんにお話を伺いつつ、その魅力を探ります。


旅する弘前ってなんですか? 地域限定旅行業とは


「旅する弘前」は、地域限定旅行業として青森県に登録されています。
こちらは、弘前および隣接市町村を発着地点としたツアーを企画販売できる、という資格です。 


つまり、旅行してくるお客さまに対して、地域ならではの観光資源を活用して、ツアーや体験プログラムを提供する「着地型旅行」に特化した資格と言えます。


そんな旅する弘前が企画するツアーは、観光客はもちろん、地元の方でも参加できるのが特徴。


生まれてからずっと津軽に暮らす方々にとっては、様々な名所旧跡は当たり前にあるものなので、意外と行かずじまいだったりしますよね。


そうした地元民の方と、観光で初めて弘前を訪れた方が一緒に楽しめるようなツアーを色々と企画してくれるのが「旅する弘前」です。


基本的には、大人数で貸切バスをチャーターして、とかタクシー乗り合いで、というものではありません。


現地集合現地解散、あるいは公共交通機関を活用して移動するような、少人数のツアーになっています。


大手旅行代理店では考えにくい、ご当地ならではのコース設定や、普段入れないエリアへ立ち入れる特別な観光体験など、地域に根ざしたツアーを組めるのも、大きな魅力です。


弘前のどこで何するの?深くてマニアックなツアーの数々



これまでに「旅する弘前」が実施してきたツアーにはどんなものがあるのでしょうか。
最近開催されたものをいくつか挙げてみます。


*満天姫に出会う旅


津軽藩主津軽信枚の正室となった徳川家康の養女満天姫が眠る長勝寺にて、満天姫の生涯を学ぶとともにご供養もさせていただく体験。


普段は入れない津軽家の御霊屋一帯に足を踏み入れ、ご住職でさえなかなか入らない満天姫の御廟を開けてのご供養という、超超レア体験です。


*ひろさき水の街巡り

弘前のまちなかにある湧き水を飲み比べて巡る、美味しく楽しい徒歩ツアー。


*卜傅流サムライ体験

数奇な運命の果てに、弘前にだけ残る卜傅流。袴を身に着けて、実際にサムライ体験ができます。


*日本刀鑑賞&手入れ体験

刀匠から日本刀について学び実物に触れて鑑賞・手入れ方法を学びます。


*長勝寺三門に写経奉納ツアー

津軽歴代藩主が眠る長勝寺で写経体験。


三門に特別に上がらせていただき、書いた写経を奉納します。
三門からは禅林街が一望できます。


などなど。


今まで聞いたことが無いような場所や行程、更に通常は入れないエリアへの立ち入りも可能な特別感満載のツアーです。


常連さんから初めての参加者まで、時には外国からのお客さまも交えて、少人数ならではのアットホームな時間を楽しまれているようです。


旅する弘前を主催する 愉快なナビゲーター前田優子さん



旅する弘前の全てのツアーは代表の前田優子さんが企画しています。


コースを組み立てるだけでなく、その場所で見学や体験するためにご住職や所有者管理者などと、日程や内容を調整するのも大変かと思います。



いったい、前田さんは何者なのでしょう?



弘前市のお隣、板柳町出身の前田さんは、高校までは弘前で暮らしていたものの、学生の頃は弘前についてそんなに関心はありませんでした。


首都圏で大学生デビューし、都会暮らしをしていましたが25年ほど前に弘前にUターン。
その後関わった仕事が、現在に大きく影響を与えました。


弘前での着地型観光に力を入れていた旅行会社「たびすけ」では、韓国からのインバウンド客に対応するために、韓国語でツアーの案内ができる人材を求めていました。


関係者と知り合いだったことから、声を掛けられた前田さん。


しかし実は、流暢に韓国語が話せるという訳ではありませんでした。


それでも、興味も挑戦してみようという意欲もあったため、準備期間の3ヶ月間みっちり韓国語を学びました。


ちょうど、弘前市の国際交流員が韓国の方だったこともあり、教科書的なものではなく日常使いの韓国語を学ぶことができたそうです。

そして、約2時間、韓国語の部分は前田さんが1人で担うという韓国語ツアーガイドデビュー。


「語学力は圧倒的に足りていませんでしたし、そうなれば当然表情も硬い。お客さまに申し訳ない気持ちもあるし、終わったら泣けてきました。」と、前田さんは思い返します。


しかし、戸惑いや辛さや歯がゆさだけでなく、初めて出逢う方たちとの交流や、共に経験することの楽しさも感じていました。


たびすけは、一応のツアー行程が決まっているものの、少人数ということもあって、ある程度お客さまの希望に応じるというフレキシブルな対応が特徴でした。


そのため、途中で気になった建物を見に寄ったり、普通のスーパーで買い物したり、町の日常に入り込むお客さまも居たのだそうです。


「冬の風物詩と言うか、通り沿いの融雪溝にみんなが一斉に雪を投げ込む時間帯ってありますよね。それを見たお客さんが、何してるんだと聞くんですよ。


地下に水が流れていて、雪をそこに入れて溶かさないと捨て場が無くて大変なのだと説明すると、すごく驚く。


屋根についている雪止めとか、坂道の熱線とか私達地元民にとって当たり前の風景が特別なんだと、こちらが驚かされました。」


いわゆる観光名所だけでなく、町の中には知らないこと面白いことがたくさん転がっているのだ、ということを「たびすけ」で学んだ前田さん。


こうした経験を元に、地域を見直して楽しむ「地域再発見ツアー」を提案し、開催していきました。


自分自身が知らない弘前があること、そして学んで得た知識や情報、体験がとても楽しいからみんなでシェアしたいと感じたこと。


より弘前を見たい知りたい、そして見せたい知らせたい。
その想いが形になっているのが、今の「旅する弘前」です。


「たびすけ時代に、色々なところへ飛び込んでお願いしたり、助けてもらったり、とにかく自分が動かないといけない場面がたくさんありました。すごく鍛えられたと思います。


あの頃の経験が、本当に今生かされています。」


朗らかでお話も大好きな前田さん。


一緒にまちあるきをするだけでも、楽しい気持ちになれそうなオーラに包まれています。


彼女の魅力も相まってか、「旅する弘前」のツアーにはリピーターも多いのだそうです。


1人で参加しても、気づいたら同行者と話が弾んであっという間に終わってしまう、それもまた魅力的ですね。


弘前観光コンベンション協会と連携しながら、様々なツアーを企画しつつ、地域限定旅行業務取扱管理者の資格を取得した前田さん。


そして青森県に登録し、「旅する弘前」が主催となって活動を始めたのは2022年8月からです。


新しい場所を開拓しつつ、これまで好評だったツアーも大切にしながら、前田さんは日々企画を練っています。


旅する弘前に参加したい!と思ったら

「旅する弘前」のツアーに参加するにはどうしたら良いのでしょうか?
市内各所に設置されるチラシを手に入れると、ツアーの詳細や申込方法がわかります。


主に


*弘前市立図書館
*弘前駅前観光案内所
*弘前市立観光館
*まちなか情報センター
*HIROSAKI ORANDO 


などに置かれています。


不定期開催のツアーですので、時々こうした場所に並んでいるチラシを確認してみると良いですね。


また、webではNoteで情報発信されています。


こちらでも、チラシと同じ案内がありますので、たまにチェックしてみると安心です。


内容にもよりますが、一般的なツアーとは違い、できる限り開催日間際に締切を設定されています。


それは、気づいたけど時間切れで参加できないという方を減らすためなのだそうです。


もちろん、基本的に徒歩や公共交通機関を利用するツアーだからできることですが、お客さまに優しい配慮のひとつと言えますね。


これからの「旅する弘前」


ユニークなツアーを色々と企画されてきた旅する弘前。


今後はどんなツアーを考えているのでしょうか?


「定番とも言える、満天姫や津軽藩主に関するツアー、まちあるきシリーズなどは、時期や場所を変えて続けていきたいですね。


2023年春には、ミイラ殿様とも呼ばれている津軽承とみ(正しい漢字は 示古 )公に関するツアーを予定しています。


桜の季節には、前川建築を巡るツアーも考えています。


弘前での前川建築ほとんどに関わった仲邑さんが色々とお話をしてくださる予定です。


とっても愛嬌のある仲邑さんのお話は、堅苦しすぎず、知られざる前川さんのお話も満載で大変楽しいんですよ。


それから、弘前には観光寺院とは言えない一般の寺社仏閣もたくさんあって、そこにドラマがあったりもするので、少しずつ住職さんなどと繋がって、中に入れていただけるようにしていきたいですね。」


城下町ならではの観光資源を生かしたツアーは、実は観光客の方々よりも地元の方の参加が多いそうです。


自分たちが暮らすまちを再発見するって、実は個人では難しい面がありますから、旅する弘前ツアーで楽しみながら学べるのは、とても良い機会になるのでしょう。


「それから、弘前のまちなかでロゲイニングをしてみたいと考えています。


幅広い世代が一緒に楽しめそうですし、これをキッカケに今まで入れなかったお店や知らなかった場所などに興味を持ってもらえるのではないかと考えています。」


ロゲイニングとは、地図を使って事前に設置されたチェックポイントを制限時間内にできるだけ多くまわる野外スポーツ。


最近、大鰐やむつ湾などでも開催され、簡単なルールで楽しめると人気が高まっています。


弘前のまちなかには、ランドマークになるような建造物や、ユニークなお店もたくさんありますから、徒歩でも充分楽しめるコースができそうですね。


また、少人数制だからこその企画として、4・5名のグループで希望するコースがあれば日程調整して開催できるようにしたいという構想もあるのだそうです。


以前あったツアーに日程が合わずに参加できなかったけれど、本当はとても興味がある!という方々に対応できるのも、地域密着型だからこそ。


古い弘前も新しい弘前も、どちらも楽しめる「旅する弘前」。
地元民の皆さんも、移住者の皆さんも、ツアーに参加してみませんか?



イベント名

旅する弘前

場所

市内全般

営業時間

-

定休日

-

電話

-

公式

・HP(note) 
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・Facebook 
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