今年も暖かい日が続き、全国的に例年より早く桜の開花が見られました。
その桜前線も徐々に北上し、弘前の桜も見頃を迎えそうです。
弘前の桜はひとつの花芽からたくさんの花が咲き、他の場所の桜より花付きが良く、日本一とも言われています。
さくらまつりでは毎年多くの出店が軒を連ねます。
定番の焼きそばやたこ焼きの他に、なかなか食べることのできない屋台飯を提供する出店がさくらまつりにはたくさんあります。
今回はお花見と一緒に楽しみたいさくらまつりの定番屋台飯5選を紹介します。
とうもろこしの甘さと天ぷらの食感がたまらない 「嶽きみ天ぷら」
まず紹介するのは軽食にもおすすめの嶽きみ天ぷらです。
嶽きみとは青森県のブランドとうもろこしのことで、岩木山の麓の標高400〜500mにある嶽地区で栽培されています。
津軽弁でとうもろこしはきみと呼ぶのでその名がつきました。
嶽きみは普通のとうもろこしよりも甘いのが特徴です。
嶽きみの最適な収穫時期はわずか数日だけ。
農家が長年の経験を活かし、その最適な収穫時期を見極めています。
嶽きみは収穫した瞬間から熱を持ち、糖度が下がってしまいます。
それを防ぐために、気温の低い朝、朝霧に濡れた粒の締まった状態で収穫しているそうです。
そうした最適な時期の収穫と緻密な鮮度管理がその特徴的な甘さと美味しさに繋がっています。
嶽きみ天ぷらは揚げたてあつあつ。
ほんのり塩がきいており、嶽きみの甘さが際立ちます。
また食べた時の衣のサクサク感と、とうもろこしのプチッと弾ける食感がたまりません。
削ぎ切りにしてスティック状になっており、竹串もついているので手を汚さずに食べられるのも嬉しいポイントです。
とうもろこしの天ぷらは普段なかなか食べる機会がないと思うので、この機会にぜひ食べてみてください。
その真っ黒な見た目にびっくり「黒こんにゃく」
軽食にぴったりなものとして黒こんにゃくもオススメです。
黒こんにゃくは弘前公園で約40年も売り続けられている名物。
こちらは普段の店舗には並ばないさくらまつり限定品です。
出店で販売される串に刺さったこんにゃくは玉こんにゃくか細長い長方形が一般的ですが、さくらまつりで販売される黒こんにゃくは手のひらサイズの大きな四角形。
その名の通り、真っ黒なタレで漬けこまれていて見た目は本当に真っ黒。
真っ黒なタレについては企業秘密ということでその色の付け方は明かされていません。
肝心のお味は醤油ベースの優しい薄味なのでご安心ください。
約40年の歴史の中で多い時は1分間に100個以上、1日150万円売り上げたこともあったそうです。
観光客の人通りを計算に入れ、毎年お土産物屋や、お化け屋敷、バイクサーカスなど人気のショップ・露店の近くに出店されています。
また、観光客を乗せたバスのガイドさんに黒こんにゃくを持たせたり、お店の前でリンゴジュースを振る舞ったり注目してもらうための徹底的な戦略を立てています。
観光客の多い通りで人混みができていたらそこに黒こんにゃくがあるかもしれません。
実際に見ると元のこんにゃくの色が見えないくらい本当に真っ黒なので、気になった方はぜひ現地でご覧ください。
肌寒い日にはこれで温まる「生姜味噌おでん」
桜の開花シーズンとはいえ、青森県の夜は気温が5度前後となることも多いです。
そんな日は生姜味噌おでんがオススメです。
生姜味噌おでんは郷土料理として知られています。
青森市周辺ではすりおろした生姜入りの味噌だれでおでんを食べる風習が古くから根付いています。
この食べ方は戦後の闇市の屋台で、極寒の函館に向かう青函連絡船の乗客に少しでも温まってもらいたいと、屋台の女将がおでんに生姜入り味噌をかけて提供したのがきっかけだそうです。
味噌文化の強い青森ですが、この時から既に味噌文化は発達していたようです。
その具材も特徴的です。
陸奥湾名産のツブ貝、『根曲がりだけ』の愛称で親しまれるたけのこ、薄くて大きなさつま揚げ『大角天』、通常よりも大きい『ぼたん焼きちくわ』など、普通のおでんとは大きく異なります。
美味しさの秘密はなんといっても生姜味噌だれ。
よく煮た酒に味噌、みりん、だし汁を混ぜて最後に生姜をたっぷりとおろして混ぜ合わせて味付けをしています。
酒の肴にぴったりなおでんですが、甘じょっぱい味は子供にも人気です。
生姜味噌おでんは複数の屋台で売られているため、生姜味噌の味が気に入った方はいろいろな屋台の味噌の味を食べ比べてみるのも良いでしょう。
肌寒い日は生姜味噌おでんで体を芯から温めて、お花見を楽しみましょう。
大正8年から出店のさくらまつり名物「三忠食堂」
弘前市民に長く愛され続ける三忠食堂の津軽そばも一度味わってほしい一品です。
三忠食堂は明治時代から120年に渡って弘前市に店を構えている、老舗の大衆食堂。
さくらまつりには大正8年から出店しており、さくらまつり名物と言っても過言ではありません。
三忠食堂では津軽の伝承料理、津軽そばがイチオシ。
美味しいそばつゆの秘密はたっぷり溶け込んだ焼き干し。
焼き干しは煮干しと響きが似ていますが全く異なる製法で作られています。
魚の旨味を凝縮させ封じ込めることができるため、煮干しの約5倍ものだしを取ることができます。
それを可能にするのが熟練の技と時間をかけた工程。
渋みや苦味が出ないようイワシの腹わたを取り出し乾燥させ、炭火でじっくり焼き上げ余計な脂を取り除いています。
この工程はなんと全て手作業。
焼き干しは味噌汁や麺類の出汁としてだけでなく、甘露煮や酒のつまみとして食卓に並ぶこともあります。
この濃い味のしみ込んだ津軽そばを求め、三忠食堂の出店の前には毎年行列ができています。
三忠食堂は他の出店よりも色褪せて歴史を感じさせる古風な看板が目印。
コロナ禍になってから出店を控えていましたが、2023年は久しぶりに出店です。
大正時代から受け継がれた伝統の味をぜひ味わってみてください。
デザート感覚で楽しめる 亀屋のたこ焼き
屋台飯の最後に甘味が食べたくなった時には亀屋のたこ焼きがぴったり。
甘味と聞いてたこ焼きを想像する人は少ないと思いますが、亀屋のたこ焼きはとにかく甘いことで弘前市民に知られています。
大きなたこがプリントされたレトロ調な袋に入って提供されるのが定番で、袋には『弘前名物たこのつぼ焼き』と書かれています。
たこ焼きはコロンと丸く、その生地の色は黄色くカステラやホットケーキのような色合いをしています。
また、味付けもかつお節や青のりはかかっておらずシンプルなソースのみ。
しかし、口に運ぶと生地もソースも甘く、初めて食べた人はとにかく驚く甘さです。
その甘さに驚きますがしっかりと大きなたこが入っています。
外はカリッと、中はフワッとした軽い食感が特徴で、気付いたらなくなっています。
その甘いたこ焼きは子供にも大人にも人気で、特に大人たちは思い出の味としてさくらまつりで購入する人が多いそうです。
そのため、さくらまつりではいつも行列ができています。
亀屋のたこ焼きは普段は販売しておらず、お祭りでしか食べることができません。
出店で定番のたこ焼きも食べたくなりますが、弘前さくらまつりのたこ焼きといえば亀屋のたこ焼きです。
まとめ
いかがでしたか。
今回はさくらまつりの定番屋台飯5選を紹介しました。
さくらまつりには多くの出店が並び、紹介したもの以外にも美味しい屋台飯がたくさんあります。
満開の桜を見ながら美味しい屋台飯も楽しみましょう。
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