【GOOD OLD HOTEL】泊まれるスナック街 弘前で昭和レトロ感じる宿泊体験

近年、泊まれる本屋や泊まれる美術館など、様々な“泊まれる〇〇”スポットが話題になっています。
青森県弘前市にある「GOOD OLD HOTEL」は「泊まれるスナック街」をコンセプトとしたホテルです。
今回はホテルの担当者、野村昇平さん(株式会社キンキエステート 営業部長)にインタビューしてきました。 

「泊まれるスナック街」とは?


GOOD OLD HOTEL は、昭和レトロを感じるスナックをリノベーションした“ノスタルジェニック”な非接触型ホテルです。
“GOOD OLD DAYS=古き良き時代”を思い出させ、それを活かしたホテルを作りたいと言う想いからGOOD OLD HOTELと名付けられました。
最新テクノロジーによってチェックインからチェックアウトまで非対面を実現しているため、コロナ禍でも安心安全に利用することができます。


(記事内掲載写真提供:GOOD OLD HOTEL)

ホテルがあるのは東北最大級の歓楽街、弘前市鍛冶町にあるグランドパレスビル。
昭和40年代に誕生したこのビルは当時スナックやディスコがあり、若者が集う賑やかな場所でした。
時代が移ろいかつてほどの活気は見られませんが、 現在も鍛冶町には弘前市内外から津軽の食やお酒を楽しみに人々が集まります。
昼間は静かな街並みが夜になるとネオンが光る夜の街へと姿を変えるのです。



株式会社キンキエステートは全国の競売物件を仕入・リノベーションし、不動産を活用している会社です。
今回のグランドパレスは、当時の担当者が購入後の視察の際に、以前営業していたスナックの看板や装飾が残されていたのをみて、レトロ×テクノロジーのホテルにしようと決めたそうです。
「昭和レトロをコンセプトにしたこのホテルは、インスタ映えを意識しやすい20〜30代がメインターゲット。
また、ホテル開業時のコロナ禍前はインバウンド需要が増加していたことから、海外の人たちに日本特有の文化であるスナックを楽しんでもらいたいと思った。
スナックは海外のBARなどとは違う、各店舗のコンセプトがはっきりしていて“新しい”と感じてもらえる飲み屋だと思う。
このホテルがスナックという日本の文化を海外の人に知ってもらうきっかけになれたら嬉しい。」



ビルに入ると1階のスナックからお酒やカラオケを楽しむ人たちの賑やかな声が聞こえてきます。
階段を上り2階にはホテルの入り口ドア。




入り口を開けると、まるでスナックが営業しているかのような光景が広がります。
看板や入り口、ドアに貼られたシールはスナックとして営業していた時のまま。
まさに昭和にタイムスリップしたかのようなレトロな雰囲気に包まれます。



ドアノブのビンテージ感がレトロ好きにはたまりません!
至る所にインスタ映えするようなパーツがたくさん。



ドアのシールまで当時のまま残されていて、当時の人々の生活がリアルなまま残されています。
「このビルは地元の人にとっても懐かしい場所であり、かつての古き良き時代が思い出として残っています。
我々は大阪の会社ですが、現地の人たちにお手伝いいただいて、一緒にこのビルを営業しているという感覚です。
このビルが我々と弘前を繋いでくれています。」
野村さんはこのビルを扱うまで、東北ましてや弘前は未知の世界だったと言います。
実際に訪れてみると街のポテンシャルの高さに魅力を感じ、もっと弘前の良さを見つけていきたいと思うようになったそうです。 

コンセプトが異なるスナック全11部屋


スナックをリノベーションした客室は全11部屋あり、 入り口にある当時のスナック看板がそのまま部屋名として使われています。
それぞれの部屋にはコンセプトがあり、それに合わせた内装になっています。 

スナック感が強い「Den」





タバコのヤニで琥珀色に染まった、味のあるスナックらしいシャンデリアが部屋を照らします。
当時使われていた家具や照明が“スナック感”を演出し、ノスタルジックに仕上げています。 

三内丸山遺跡をイメージした「プードル」





こちらの客室では、照明の土器っぽさと木が並んだ装飾から三内丸山遺跡をコンセプトにしたそう。
まさに縄文時代っぽさを感じます。 

りんごの色味で揃えた「ニューうさぎ」


 


むらさき色に黄色の組み合わせのネオンがなんとも言えないレトロ感。
こちらは弘前の特産品、りんごをイメージしたお部屋。

りんごを彷彿とさせるみどり・きいろ・あか・茶色で統一されています。
この部屋では、真っ赤なりんごの中にたっぷりの黄色い蜜がつまっているような甘い雰囲気を感じることができます。 

他にもユニークな部屋の数々







「ぴちぴち」や「愛人」など他にもユニークな名前のお部屋があります。
それぞれ異なるコンセプトで何度泊まっても楽しめそうです。
これから各部屋のコンセプトがより際立つような、こだわった内装にしていきたいそうです。
ぜひ今回ご紹介した客室以外のお部屋についても、皆さんでそれぞれの「味わい」を体感しに行ってみてください。 

弘前を街ブラ〜レトロを楽しむ〜


野村さん「弘前はレトロな建物など見物できるものが多くご飯も美味しいので、街ブラするのが楽しいと感じました。
お祭りや大きなイベントがない時期でも遊びにきて楽しいと思えるのは、いい意味でイメージと違いましたね。
わかりやすくりんごやねぷたももちろんいいですけど、街を楽しめるのは弘前のポテンシャルの高さだと思います。
レトロをテーマに弘前を旅するのも楽しそうですね。」
弘前はりんごの街として有名ですが、野村さんが語るように 実は歴史ある洋館や昔ながらの純喫茶などレトロを感じるスポットがたくさんあります。 

旧弘前市立図書館




弘前は幕末から英語教育が盛んで力を入れていたことから、外国人宣教師を招いていました。
堀江佐吉やその子孫が宣教師たちが住むための建物を手がけたことから今でも洋風建築が残っているのです。 

弘前昇天教会




また、同じ頃にキリスト教が伝えられていたことから教会も残されています。
弘前昇天教会の他に、弘前カトリック教会や弘前教会などがあります。 

弘前れんが倉庫美術館




弘前れんが倉庫美術館は明治時代から引き継がれた建築です。
かつて日本酒工場やシードル工場、倉庫として使われたレンガ倉庫が再生を望む人々の働きかけによって美術館へと生まれ変わりました。
建築家・田根剛の現代的なデザインと建物を未来へ継承するための構造に改修工事されたことによって新たな観光スポットとして人々が集まる場所に。 

純喫茶ルビアン




純喫茶ルビアンは鍛冶町のネオン街に佇む昭和レトロな喫茶店。
歓楽街にあるためか深夜まで営業しているため、 お酒を飲んだ後の締めにコーヒーやパフェを楽しむことができる。
他にも鍛冶町から徒歩圏内の土手町には昔懐かしい喫茶店や、おしゃれなカフェが並んでいます。 

今後の弘前の可能性


野村さんに今後弘前がどんな街になって欲しいか、また弘前でどんなことをしていきたいか聞いてみました。
「まずはグランドパレスの今空いている部屋の活用を考えていきたいですね。
特に3階にはディスコのダンスフロアとして使われていた広いスペースがあるので、そこを活用してもっと面白いことをしていきたいですね。」
また今後の展開として、地域の方と連携をとり「梯子酒プラン」などを用意することで、宿泊客に飲食店巡りを楽しんでもらえるような仕組みを作っていきたいという。

「弘前はこれから新しいものを作っていくというよりは、新しいアイディアやテクノロジーで今あるものの魅せ方を変えていくことで、より良くなると思いますね。
鍛冶町はスナックの跡地のようなビルがたくさんありますから、例えばスナックをオフィスとして使うとか、違う店舗にするとか。
昼間静かな街を夜とは違った形で活用していくのも面白いと思います。」
不動産活用の視点から弘前のこれからの可能性について語っていただきました。
弘前は城下町としての歴史的建造物が今も数多く残っています。
GOOD OLD HOTELのあるグランドパレスのようなビルもたくさんあります。
弘前にはまだまだお宝が眠っているのかもしれません。 

おわりに


今回は、野村さんのご協力のもと、「泊まれるスナック街」GOOD OLD HOTEL を紹介しました。
ぜひ皆さんもスナックでお酒を楽しんでスナックに泊まる、ノスタルジックな体験をしてみませんか?
ホテル名:GOOD OLD HOTEL(グッドオールドホテル)
場所:青森県弘前市大字新鍛冶町80-2(弘南鉄道 中央弘前駅より徒歩4分)
チェックイン:15:00 
チェックアウト:10:00 
アメニティ:バスタオル・ハンドタオル・ボディソープ・ドライヤー・歯ブラシ・シャンプー・リンス
TEL:050-5444-6620
HPhttps://goodoldhotel.com/ 

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