【久渡寺】津軽巡礼、パワースポット!?魅力を紹介

観光

はじめに



引用:https://kudoji.com

青森津軽地方の中心地とも言える“弘前”には、魅力スポットが沢山あります。
久渡寺をはじめとした津軽三十三観音霊場も、見所なのは言うまでもありません。
また、久渡寺近くにあるラーメン店やカフェは地元民にも愛されており、お腹も心も満たされること間違いなしです。
今年の夏には久渡寺山麓に新たなキャンプ場がオープンしました。
バーベキュー台はもちろん、その他設備も充実しており、初心者から上級者まで楽しめると話題です。
今回は、弘前の街を彩る数々の名所から津軽巡礼で有名なお寺、“久渡寺”をご紹介します。

久渡寺を知る



引用:https://www.marugotoaomori.jp/blog/2021/09/23774.html

市街地より車で20分ほどのところにある久渡寺は、弘前市の護国山にたたずむ小さなお寺です。
入口から230段近くある石段を登ったところに本堂が見えてきます。
自然に囲まれ、歴史と神秘さを漂わせるお寺です。

ご存知の通りお寺には山号や宗派があり、同じ仏様の世界であっても教えなどの相違があります。
お寺を訪れる際にはそのような点にも注目してみると、味わい深い参拝ができるでしょう。

〇歴史
遡ること奈良時代、征夷大将軍“坂上田村麻呂”が蝦夷征伐の際に、“阿闍羅三千坊(あじゃらさんせんぼう)”という沢山の寺院を建立しました。
その一つであった補陀洛寺(興国寺)が、久渡寺のはじまりと言われています。
鎌倉時代には円智法印が再興し、その後津軽藩の庇護を受けると共に1613年に現在地に移転しました。
久渡寺という寺院名になったのは1633年からです。

〇宗派
“真言宗智山派”。
高野山の金剛峯寺に開いた弘法大師空海がご開祖ですね。
百沢寺(現、求聞寺)・国上寺・最勝院・橋雲寺とともに、津軽真言五山の一つです。

〇山号
“護国山”。
山号とは仏教寺院名の前につく称号です。
お寺は山中に建てられたことから、その山の名前がついていることが多いようです。

〇教え
自身が本来持っている仏心を、“今このとき”に呼び起こす即身成仏に求められます。
つまり自身を深く見つめ、仏のような心で語り行う生き方をすることで、人々が共に高め合い、理想の世界である密厳仏国土が実現するという教えです。

〇ご本尊
本尊とは、信仰の対象として寺院や仏壇に安置される仏像や仏塔のことです。
久渡寺のご本尊は、慈覚大師(円仁)作の聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)。
菩薩の仏格にある一尊で、悩み苦しむ人々に救いの手を差し伸べて下さいます。
令和3年には約50年ぶりに一般公開されました。

津軽三十三観音霊場一番札所~巡礼の旅のスタート地点~



引用:https://0743sh0927sh.seesaa.net/article/202101article_17.html

久渡寺は1749年~1751年に定められた津軽三十三観音霊場の一番札所です。
津軽巡礼の旅のスタートです。
日常から離れ、宗教の聖地を訪れて参拝する。
これが巡礼です。

〇津軽三十三観音霊場
起源は江戸時代の承応年間(1652~55)に遡ります。
当時津軽藩で流行していた“西国三十三所”。
この影響を受けて大勢の人が西国へ巡礼に出かけました。
各霊場の砂を持ち帰り、津軽のお寺などに納めたという強い信仰心をもった人もいたと言います。

また、四国巡礼には約100日間の時間を費やし様々な問題が浮上したため、これらの抑制のために津軽に三十三箇所の観音霊場が設けられました。
元々は津軽ではなく“護国三十三ヶ所”と呼ばれていたのですが、江戸中期頃から久渡寺を一番札所とし、結願(お遍路として全ての霊場を廻り終えること)の場所は“観音山普門院”と定められました。
明治維新の廃仏毀釈があったものの、明治中頃から観音巡りが復活し、巡礼の旅は現在でも人気です。

〇御詠歌(ごえいか)とは?
久渡寺の入り口から石段を歩き進んでいる途中に目にするのは、御詠歌の碑。
ここにはこのような歌が刻まれています。
“普陀落や 恵みも深き観世音 罪もむくいもはらす宮だち”
観音堂の軒下にもこの御詠歌が奉納されています。

ところで“御詠歌”はご存知でしょうか?
仏の徳や教えを和歌(五・七・五・七・七)に表し、節(旋律)をつけたもの。
近畿地方を中心に、三十三の観世音菩薩を安置する寺院参拝の際に唱えられたのが始まりです。
御詠歌は、平安時代の花山奉公の西国巡礼に始まったと言われる伝統芸能です。
声を長く延ばして哀調の帯びた節回しに、鈴(れい)や鉦(かね)等を鳴らしながら歌うのが特徴で、自分で唱えることで功徳が得られると言われています。
大正10年に正式な仏教音楽として認められました。

オシラサマパワーの聖地と幽霊画、そして……


引用:https://laurier.excite.co.jp/i/jinja_otera_jinja5024
Photo by z tanuki is licensed under CC BY 3.0

〇オシラサマ
東北地方で昔から信仰されている神様のことで、その信仰はオシラ講と呼ばれます。
オシラ様は“生産の神”と慕われ、男女一対の桑の木で作られた30センチほどの人形を御神体としています。
オシラ講の本山である久渡寺ですが、毎年5月15日と16日に大祭には大勢の参拝客が訪れます。

村や家に祀っている“オシラ様”を持参し、御朱印を頂く。
これを“位を上げる”と称し、年とともにオシラ様の位が上がっていくという言い伝えがあります。
オシラ様には華やかな衣装を着せて祭壇にのせ、護摩が焚かれると参拝者とともに祈祷が行われるということです。

以前は青森では有名な“口寄せ(イタコ)”がオシラ祭文や御詠歌を唱えていたのですが、現在はその取り組みはなされていません。
久渡寺は、信仰されているオシラ様を祈祷し、皆の幸せを願う習俗を大切にするお寺として知られています。
そしてこの民間信仰であるオシラ講は、1999年に“久渡寺のオシラ講の習俗”として無形民俗文化財に指定されました。

〇映画“千と千尋の神隠し”との深い関係?!
今から約20年前に大ヒットした、宮崎駿監督のジブリ映画“千と千尋の神隠し”。
時を経ても、いまだに話題になる名作中の名作です。
“油屋”という八百万の神様達が疲れを癒す“湯屋”が大切な舞台となっています。
そこには、大根を擬人化したとも言える、とある神様が登場します。

実はこの神様のモデルこそ、今回取り上げた久渡寺と縁の深い“オシラサマ”なのです!
劇中では大根の神様と称されていますが、実際は馬の守り神や養蚕、農業、前項でも記したように、生産の神様こそがオシラサマなのです。

また、オシラサマは人の生活に寄り添う神様としても知られています。
映画の中で、主人公の千尋が油屋の経営者“湯婆婆”のいる最上階に向かうエレベーターのシーンがありますが、その時この大根の神様がそっと千尋に寄り添う姿が見られます。
人に優しく子供好きであるとも言われるオシラサマの姿を垣間見られますね。

実際のオシラサマの御神体はたった30センチほどの可愛らしい姿をしていますが、“大根の神様”の身体はとても大きく、エレベーターの中では千尋が隙間にすっぽり入り込んでいる様子が可愛らしく、滑稽で微笑ましささえ感じます。

〇足のない幽霊画
足のない幽霊画として有名なのが“返魂香之図(はんごうこうのず)。
令和3年に弘前市の有形文化財にも指定されました。
作者は江戸時代中期を代表とする絵師、丸山応挙。
応挙の亡き妻を描いたと言われるこの絵画は、妻の命日にあたる旧暦5月18日正午から1時間限定で公開されるそうです。
その時間には雨が降るというエピソードもあるようで、雨乞いのご利益を感じますね。

〇心霊スポット?!
久渡寺にはもう一つ話題となっていることがあります。
実はこのお寺、心霊スポットだとも言われているようです。

境内には本堂をはじめとして、観音堂、約250体の観音石像や稲荷神社などいくつかの建物がある中で、馬頭観音にも遭遇します。
心霊スポットは、この馬の後ろにある小さな浅い池。
この池にはシャケが産卵に来るとも言われています。

池に向かって知人などの故人の名を呼ぶと水面にその人の顔が見えたり、中を覗くと自身の死に際の顔さえ映ると言う言い伝えがあるとか。
丸山応挙の幽霊画やこの池の謎、やはり久渡寺は心霊スポットなのでは?と妙に納得してしまいます。

おわりに



引用:https://www.tohokukanko.jp/attractions/detail_1009962.html

いかがでしたか?
本州最北端に位置する青森県。
東北随一の桜の名所と呼ばれる“弘前城”や“弘前公園”、リンゴ生産量が日本一を誇る弘前市ならではの“りんご公園”が人気です。
また、東北三大祭りの一つである、ねぶた(青森市)やねぷた(弘前市)の盛り上がりは最高ですね。

そして今回ご紹介した 津軽三十三観音霊場“久渡寺”の魅力。
オシラサマ信仰や幽霊画など、久渡寺の奥深いパワーを感じます。

霊場巡りでは、久渡寺を出発点に日本海から津軽海峡、そして陸奥湾に沿って巡礼します。
その行程といったら、500kmは優に超える長旅です。
三十三か所の霊場をめぐる中でまたはその途中で、津軽地方らしい雄大な自然を満喫できるでしょう。
参拝することで自身を見つめ直す、または日常に感謝の気持ちを引き起こすきっかけ作りにも、久渡寺に足を運んでみてはいかがでしょうか。
 
参考
https://www.marugotoaomori.jp/blog/2021/09/23774.html
https://0743sh0927sh.seesaa.net/article/202101article_17.html
https://aomori-miryoku.com/2010/09/22/%EF%BE%9F%E2%88%80%EF%BE%9F%EF%BE%89
https://ohakakiwame.jp/column/memorial-service/goeika.html
https://laurier.excite.co.jp/i/jinja_otera_jinja5024
https://www.e-sogi.com/guide/27028/
https://digital-ic.jp/hirosaki-city-sightseeing-guide-temple/
https://0ccult.online/%E9%9D%92%E6%A3%AE%E7%9C%8C%E3%81%AE%E5%BF%83%E9%9C%8A%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%83%E3%83%88%E8%AB%87%E3%81%A8%E5%BF%83%E9%9C%8A%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A8%E7%84%A1%E7%B8%81%E3%81%AA/
https://www.tenkei.net/tenkei/shingon/05-shoukanze/
https://ikikata.nishinippon.co.jp/term/888/
http://www.city.hirosaki.aomori.jp/gaiyou/bunkazai/kuni/kuni-sentaku2.html
https://later-life.jp/culture/culture-hobby/1072870
https://comic-kingdom.jp/ghibli-oshirasama/
https://frequ.jp/2206
http://www.kns.gr.jp/column/1520.html