今回は、「りんご娘」「ライスボール」などが所属する青森県の芸能事務所「有限会社リンゴミュージック」の代表である樋川新一さんにインタビューを行いました。
樋川さんが芸能事務所を立ち上げたきっかけや、地元に対する思い、さらにリンゴミュージックのアイドルを目指すにはどうすれば良いのか、ということなどを伺いました。
ぜひ最後までご覧ください。
リンゴミュージックを立ち上げたきっかけとは?
樋川さんは青森県弘前市のご出身。
ご両親が立ち上げた株式会社樋川自動車の長男として生まれます。
現在は青森を愛し、青森の魅力を多く発信している樋川さんですが、小さい頃は青森は何もない、つまらない、という気持ちを抱いていたのだとか。
そんな思いから東京の大学へ進学し、大学卒業後は東京の大手自動車会社の営業職へ就職します。
営業職として様々な経験を積んだ後、「経営者になりたい」というかねてからの夢へチャレンジするため、27歳の時にUターン転職し樋川自動車を継ぎました。
地元で働いていく中で、人口減少や短命県など青森の不安要素ばかりが目に付きます。
若者も就職先の少なさや給与の低さから都心部へ流出しており、青森の未来へ危機感を抱きました。
地元をなんとかしたい、若者と楽しみながら街を元気にしていきたい、と青森を活気付ける方法を考えた結果、やはりエンタメが一番だと思い至ります。
樋川さんは、元々芸能界・エンタメ業界へも憧れを持っていました。
エンタメ業界へ惹かれるきっかけとなった出来事のひとつは、中学生の頃にリンクステーションホールで見た「安全地帯」のライブ。
玉置浩二さんのあまりの歌唱力に圧倒されて以来、エンタメ・歌の力はすごいという思いがずっとありました。
実は大学卒業時にテレビ局などの面接も受けていましたが、就職氷河期真っ只中だったこともあり、一度エンタメ業界への夢は諦めていました。
しかし「今こそエンタメの力で地元を元気づけたい」という思いが芽生え、リンゴミュージック設立へと繋がります。
ちなみに・・・。
樋川さんとしては、リンゴミュージックのアイドルのみなさんに玉置浩二さんくらいの歌唱力を目指してほしいと密かに思っているとのこと。
以前りんご娘さんのステージを拝見した時、みなさん歌がとてもお上手でしたが、さらに上のレベルを目指して歌唱力を磨いているそうです。
芸能事務所を運営する上で大変だったこと・嬉しかったこと
青森県で知らない人はいないと言っても過言ではない芸能事務所・リンゴミュージック。
芸能事務所を運営していく中で、難しかったこと、嬉しかったことを伺いました。
商品が人であることの大変さ
商品が人である芸能事務所を運営する上で、一番大変なことは所属タレントのメンタルケア。
タレントさんは毎日レッスンをしたり、人前に立つお仕事をしたりと、特殊な環境で学生時代を過ごすことになります。
そのため、事務所スタッフのみなさんが一丸となって、何か悩み事は無いか、ストレスを溜めていないか気にかけています。
また芸能界特有の問題としては誹謗中傷などがありますが、リンゴミュージックのタレントさんはファンの方、地域の方からとても愛されていますよね。
リンゴミュージックでは、言葉や礼儀の大切さなどもしっかりと教えています。
タレント自身を守るためにも、こういった内面のレッスンも大切にしているそうです。
やっぱり人に感謝されることがとても嬉しい
一方で、一番嬉しいことは人から感謝されること。
樋川さんはご自身でもたくさんの講演を行っていますが、講演を聞いた方などから感謝のお手紙や感想をいただくことがあるそうです。
すべての感想を嬉しく感じていますが、特に印象的だったのは、県外の小学生の方からのお手紙。
その方はリンゴミュージックのアイドルを通じて、青森県自体も大好きになり、青森の市町村やりんごの品種まで勉強するようになったのだとか。
個人的な小学校の卒業旅行でも青森を訪れ、「青森はとても良い所だった!」と言っていただけたそうです。
ただ青森のアイドルを好きになるだけではなく、アイドルを通じて青森県自体を好きになってもらう、青森との縁を繋いでもらうことは、樋川さんの経営者としての目標のひとつ。
感謝してもらえただけでなく、その目標をひとつ実現でき、「涙が出るほど嬉しかった」とお話していただきました。
リンゴミュージックのアイドルになるには!?
リンゴミュージックといえば、今や全国的に有名な王林さんや、活動の場を次々と広げているりんご娘さん、ライスボールさんに憧れている方も多いのではないでしょうか。
樋川さんに「リンゴミュージックのアイドルになるには?」「どういった活動ができる?」等々、アイドルに関するあれこれを伺いました。
オーディションは年一開催!オーディションの内容や審査基準は?
2024年現在、リンゴミュージックのスクールオーディションは毎年一回、3~4月頃に開催されています。
対象は小学校3年生~中学3年生の女性です。
オーディションでは、基本的に以下の4点で審査を行っています。
・本人面接
・親子面接
・特技発表
・シャトルラン
特技発表では、歌や踊りなど、ご本人の得意なことを実際に発表していただきます。
そして気になった方も多いであろうシャトルラン。
シャトルランは、現スクールメンバーの皆さんと、オーディション生全員で行います。
シャトルラン審査のポイントは、主に体力と諦めない気持ちの2点。
スクールメンバーのみなさんは、学校終わりに歌や踊りの練習をしたり、週末はライブ等へ参加したりと、ほとんど休む暇がありません。
文武両道のアイドルを目指しているため、もちろん勉強も疎かにできません。
そんな中でやっていけるだけの必要最低限の体力があるかを見ているそうです。
諦めない気持ちは、自分の体力の限界まで走り続けたか、妥協していないか、という点で審査しています。
アイドルを続けていく上で一番大切なのは、やはり本人の絶対に諦めない、負けないという強い気持ち。
樋川さん曰く、誰が限界まで走っているかは見ていれば分かるそうです!
リンゴミュージックのアイドルを目指している方は、身も心も鍛えてオーディションに挑んでみて下さい。
余談ですが、リンゴミュージックではいずれ男性アイドルもプロデュースする計画があるのだとか…!?
しかしまずは、今いらっしゃるアーティストさん達がしっかり軌道に乗ってから、とのこと。
近いうちにリンゴミュージック初の男性アイドルを見られる日が来るかもしれません。
スクールメンバー合格後、デビューまでの道のりは?
スクールメンバー合格後、次の目標はアイドルとしてのデビュー。
デビューのタイミングはメンバーによりバラバラで、昇格テストを経てデビューやライブ参加が決まるのだとか。
登竜門であるバックダンサーオーディションの審査方法は、なんと360度評価!
立候補者の中から、現アイドルグループのメンバーや、小学生のスクールメンバーまで、全員の投票によってバックダンサーが決まります。
歌や踊りの実力があることはもちろん、立ち振る舞いのしっかりしている方や、練習を特に頑張っている方、事務所の後輩の面倒見が良い方など、人間性の面でも魅力的なメンバーが選ばれることが多いそうです。
弘前Naviでは以前りんご娘さんのインタビューを実施しましたが、みなさん誰にでも優しく礼儀正しく、このような審査を経てデビューしているというのも納得の方々でした!
リンゴミュージックでしか積めない経験がたくさん
リンゴミュージックでのアイドルデビューを目指している方に向けて、樋川さんよりメッセージをいただきました。
「リンゴミュージックでは、まずは芸能活動を通じて青森を好きになり、故郷や地域の人々に恩返しをしていくことを大切にしています。
最初から青森が好きという気持ちを持っていなくても良いんです。
所属しているタレントには、青森についての授業を行ったり、実際に農作業をしてりんごやお米を育ててもらったり、レポート活動で県内の食べ物やお祭り、景色に触れてもらったりしています。
活動していく中で青森の魅力を知り、どんどん地元が好きになっていくと思います。
都心部では事務所に所属してもデビューできるのは一握りですし、アイドル活動をしながらそういった体験をすることはタレント自身の財産にもなります。
また、お世話になった方々にアイドル活動を通じて感謝の気持ちを示すことで、親やご近所さん、学校の先生や友達からの愛情を身近で吸収することができます。
それはいつか親元を離れた時などに、大きな精神の柱になると思います。
リンゴミュージックでは都心部ではなかなかできないことを体験できるので、青森にいて芸能の道を目指している人は、ぜひオーディションを受けてみて下さい。」
リンゴミュージックを通じて青森を好きになってもらいたい
リンゴミュージックでは、一貫してエンタメを通じて青森を元気付ける・好きになってもらうことを目標としています。
最後に、樋川さんへリンゴミュージックにかける思いを伺いました。
「所属タレントには、アーティスト活動を通じて青森県の魅力を知り、発信し、地域の人から感謝される存在になって欲しいです。
芸能人やアイドルになりたいと思ったら、都心部や海外に目を向けがちですよね。
しかしまずは自分の今いる場所や身近なものの魅力に気づけないと、どれだけ都心部や海外へ行っても、自分たちを見てくれている方々に何も伝えることができないと思います。
まずは青森の魅力を知った上で、県外、海外にも進出し、世界のいろいろな風景や人、食べ物に触れて欲しい。
最終的には日本全国や、地球丸ごと好きになり、世界中から愛される存在になって欲しいですし、そうすることで他の地域や国々と比較した際の青森の魅力もより感じられると思います。
また地域を盛り上げたい、人を元気付けたい、という利他の気持ちを持って活動することは、彼女たちの人間的な魅力にも繋がり、ファンを増やすきっかけにもなると考えています。
ファンに愛されながら、個々人の目標も叶えていって欲しいですね。」
元りんご娘の王林さんは、現在全国的に活動していますが、今でも青森の魅力を発信し続けてくれていますよね。
青森県民として嬉しく感じている方は、とても多いと思います。
このようなリンゴミュージックでの経験があったからこそ、老若男女様々な方から愛され続けているのですね。
まとめ
今回は、リンゴミュージックの代表・樋川新一さんへインタビューを行いました。
最後に樋川さんの弘前おすすめ観光スポットを伺ったところ、「岩木山神社」とのこと。
活動の成功祈願や、日々の感謝を伝えるため、樋川さんは月に一回程ご家族で岩木山神社に参拝されています。
リンゴミュージックのファンの方が書かれた絵馬を見かけることもあり、とても感動するそうです。
時々、ファンの方々から樋川さんの目撃情報も寄せられているのだとか!
岩木山神社は古来の壮大な自然を感じられるパワースポットですので、ぜひ訪れてみて下さい。
また、樋川さんはエンタメ業界だけでなく、県内の一次産業等にも関心を持ち、様々なテーマで講演や授業を行っています。
こちらから活動内容が確認できますので、もっと樋川さんのお話が聞きたい方は講演会もチェックしてみて下さい!
・HP https://www.ringomusic.com/about
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