【藤田記念庭園】大正時代へスリップ⁉見どころ満載の弘前観光スポットをご紹介

歴史・文化

掲載日:2022年12月6日

日本各地には景勝地として知られる日本庭園が数多くありますが、青森県弘前市にも観光客でにぎわう美しい庭園があります。


その名も「藤田記念庭園」です。


今回は、インターネットではあまり紹介されていない見どころも含めて、この庭園の魅力をわかりやすくご紹介します!

スポット名

藤田記念庭園

場所

〒036-8207 青森県弘前市上白銀町8-1

営業時間

9:00~16:30
※さくらまつり期間は午前9時~21時まで開園〈入園券の販売は20:30まで〉
※11月24~翌年4月9日は冬期開園として高台部庭園のみ無料開園

定休日

-

電話

0172-37-5525

公式

・HP 
http://www.hirosakipark.or.jp/hujita/
・Instagram 
https://www.instagram.com/fujita_memorial_garden/

その他

入園料:
【単独券】
〇個人
・大人〈高校生以上〉320円
・子供〈小・中学生〉100円〇団体
・大人250円
・子供80円
※団体券は10名様以上


【藤田記念庭園通年券】
〇個人
・大人1,040円
・子供310円


【共通券】
「弘前城〈本丸・北の廓〉弘前城植物園・藤田記念庭園の1日入園券」
〇個人
・大人520円
・子供160円
〇団体
・大人470円
・子供130円


【共通通年券】「弘前城〈本丸・北の廓〉弘前城植物園・藤田記念庭園の共通通年券」〇個人
・大人2,090円
・子供620円



歴史ある庭園、藤田記念庭園とは


弘前公園のすぐそばに位置する「藤田記念庭園」は、大正時代に建てられた旧藤田別邸を基盤とした、歴史ある日本庭園です。
平成3(1991)年から一般公開を開始しており、園内には、大正ロマンを感じる洋風・和風建築や、滝が流れる池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)などがあります。


現在も、多くの観光客や地元の方々が訪れる人気のスポットです。
見所をご紹介する前に、まずは藤田記念庭園の歴史について少しお話しします。



所有者がいなくなって放置されていた旧藤田別邸



藤田記念庭園は平成3年に開園しましたが、それ以前は草木が伸び放題の荒れ地で、とても観光地として楽しめる場所ではなかったのだそう。


そもそも、なぜそのような状態になっていたのでしょうか?


この庭園の前身である旧藤田別邸が建てられたのは、大正10年(1921年)のこと。
弘前市出身の実業家・藤田謙一氏が、東京から庭師を呼び寄せて作らせました。


敷地の広さはおよそ21,800㎡。
なんとサッカーコート3面分ほどの広さがありました。


しかし藤田氏は、昭和21年(1946年)に亡くなります。
その後、邸宅は弘前相互銀行の初代頭取である唐牛(かろうじ)氏に譲渡されました。

唐牛氏は園内の洋館で社交パーティーを開催したり、庭園を市民に開放したりして、地域の憩いの場として活用していたようです。

ところが、昭和54年(1979年)に唐牛氏が亡くなると、邸宅は再び使われなくなり、長く放置されることになります。


その後、弘前市が100周年記念事業の一環として、平成元年(1989年)にこの土地を買収。

そして、3年以上かけて整備が行われ、「藤田記念庭園」と名を改めて一般公開されて、現在の観光地として生まれ変わったのです。


今では、弘前市を代表する人気観光スポットのひとつとなっています。


それでは次の章から見所をご紹介していきます!



藤田記念庭園の見所その1:シーズンごとに見える景色が変わる借景式庭園



まずご紹介したい見所は、四季によって景色が移り変わる借景式庭園(しゃっけいしきていえん)です。

借景式庭園とは、山や林などの自然の景色を庭園の一部として取り込む手法のことです。
京都の嵐山なども、借景式庭園で有名です。


藤田記念庭園では、季節ごとに庭園と岩木山の景観が美しく変化します。

春には樹齢約180年のシダレザクラとともに、秋には紅葉とともに岩木山を眺めることができ、冬には雪化粧に包まれた津軽平野も一望できます。


藤田記念庭園の見所その2:迫力ある滝を橋から望む池泉回遊式庭園



次にご紹介するのは、橋の上から滝を眺められる池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえんです。

池泉回遊式庭園とは、池のまわりを散策しながら楽しむ形式の庭園です。


中でもおすすめしたいのは、橋から眺める滝の景観。
滝の水しぶきと音の迫力を間近に感じながら、ゆっくり歩いて楽しむ庭園の風景は、筆舌に尽くしがたい美しさがあります。

ただし、冬季は池泉回遊式庭園が閉鎖されますので、訪れる際はご注意ください。


また、春には借景式庭園と池泉回遊式庭園の両方がライトアップされ、日中とは違った幻想的な風景も楽しめます。


藤田記念庭園の見所その3:庭園で開催されるイベントの数々



藤田記念庭園では、庭園を舞台にしたさまざまなイベントも開催されています!


たとえば、2018年ごろまで行われていた「ひろさきハイカラ庭園」というイベントでは、大正時代の雰囲気を体感できるように、来園者が当時の学生の和装を着ることができたり、大正期の車やバスが展示されたりしていました。

まるでタイムスリップしたかのような感覚が味わえたそうです。


また、毎年秋には「秋の名月会」というイベントも行われています。

中秋の名月に合わせて開催され、ライトアップされた園内で、琵琶・尺八・篠笛などの幻想的な音色とともに月を愛でることができます。

参加を希望される方は、ぜひ藤田記念庭園の公式ホームページ(http://www.hirosakipark.or.jp/hujita/)をご確認ください!


藤田記念庭園の見所番外編:お抹茶点て体験



また、藤田記念庭園では和館にてお抹茶点て体験(1人1000円)も常時実施しています。

「お抹茶を点てたことがないので不安…」という方もご安心を。
茶道の先生から指導を受けたスタッフが、丁寧に教えてくれます!

抹茶は和菓子とともに味わえますので、縁側に座って庭園を眺めながら、ゆったりとしたひとときをお楽しみください。


コスプレイヤーにも有名な藤田記念庭園


また、藤田記念庭園はその風情ある建築や自然の景観から、写真撮影の場としても親しまれています。

特に和装や着物での撮影、さらにはコスプレ撮影なども積極的に行われており、季節ごとの風景と合わせて、多くの人がさまざまな楽しみ方で訪れています。

大正ロマン漂うこの庭園は、見る・歩く・撮る、さまざまな視点から楽しめる空間といえます。
あなたも、和と洋が調和した美しい風景を背景に、撮影してみてはいかがでしょうか。


一度離れたインバウンド観光客や国内観光客の方にも来てほしい


最後に、藤田記念庭園のご担当者様に、今後の展望をお聞きしました。


新型コロナウィルスが蔓延した当時、お客様が激減し、とっても苦労しました。

しかし、現在は観光客の足取りが少しずつ戻ってきている状況です。


そのため今後の展開として、お抹茶点て体験などを前面に押し出し、国内観光客だけでなく、海外の観光客の方にも楽しんでいただきたいと考えています。


また、コロナ禍だと実施できなかったような規模の大きいイベントも充実させ、これまで以上に来園者の方に楽しんでいただける観光地にしていきたいです。


歴史ある建築と四季折々の自然が織りなす美しさにあふれる藤田記念庭園。
見て楽しむだけでなく、イベントや抹茶体験や撮影など、多様な楽しみ方ができるのも魅力のひとつです。


観光で弘前を訪れた際には、ぜひお立ち寄りください!

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