日本全国には景勝地として有名な日本庭園がたくさんありますが、青森県弘前市にも観光客でにぎわっている日本庭園があります。
「藤田記念庭園」と呼ばれる庭園です。
季節によって様々な景観が望める藤田記念庭園ですが、今回はネットに乗っていない見所情報などを紹介していきたいと思います。
草木が伸び放題だった藤田記念庭園
藤田記念庭園は平成3年〈1991年〉に一般開放が始まり、園内には大正ロマンを感じる洋風・和風建築や滝が流れる池泉回遊式庭園〈ちせんかいゆうしきていえん〉などの見所があり、現在までに多くの観光客や地元の人が訪れていますが、藤田記念庭園のおすすめスポットを紹介する前に、まず藤田記念庭園の歴史についてちょこっとお話ししたいと思います。
藤田記念庭園は平成3年に開園されますが、開園前の藤田記念庭園(以降、旧藤田別邸)は草木が伸び放題の荒れ地で、とても観光客が楽しめる場所ではありませんでした。
なぜ一般公開前は、荒れ地になるまで放置されていたのでしょうか。
所有者がいなくなって放置されていた旧藤田別邸
旧藤田別邸が建てられたのは、今から100年以上も前の大正時代です。
旧藤田別邸が造られたのは大正10年〈1921年〉、実業家である藤田謙一氏が東京から庭師を呼び寄せて作らせました。
広さは21800㎡でサッカーコート約3個が、すっぽりと入ってしまうぐらい大きい庭園です。
この大きい庭園を造った藤田謙一氏ですが、昭和21年〈1946年〉に亡くなってしまいます。
その後この庭園は弘前相互銀行の初代頭取であった唐牛氏<かろうじ>へ譲渡され、園内にある洋館で社交パーティを楽しんだり、定期的に弘前市民へ一般開放して市民の憩いの場にしたりと活用されていました。
しかし、唐牛氏が1979年に亡くなった後、旧藤田別邸は活用されることなく、放置されてしまいます。そんな旧藤田別邸ですが、平成元年に弘前市の100周年記念事業計画の一環として、弘前市が買収。
その後3年以上の月日をかけて整備をし、旧藤田別邸は「藤田記念庭園」と名を改めて現在の観光地として生まれ変わることになります。
このような歴史を持つ藤田記念庭園ですが、現在では雄大な景観が望めることから、弘前市の観光スポットの一つとして人気を博しています。
さて藤田記念庭園の歴史をここまでざっくりと紹介しましたが、ここからは藤田記念庭園の見所について紹介してきたいと思います。
藤田記念庭園の見所その1:シーズンごとに見える景色が変わる借景式庭園
藤田記念庭園の見所その1はシーズンごとに望める景色が変わる借景式庭園〈しゃっけいしきていえん〉です。
そもそも借景式庭園とはどのような庭園なのでしょうか。
借景式庭園とは山や竹林などを庭の要素として取り込んだ庭園のことを指し、有名な借景式庭園ですと、京都の嵐山などが該当するそうです。
上記のような特徴のある借景式庭園ですが、藤田記念庭園の借景式庭園ではどのような景観が望めるのでしょうか。
シーズンによって変化する、庭園と岩木山の景観が見所です。
シーズンごとにどのように変化するのでしょうか。
例えば春の季節になれば、藤田記念庭園に植えられている樹齢約180年の満開のシダレザクラのと岩木山が一緒に望め、秋になればきれいな紅葉と一緒に岩木山が眺望できます。
また冬のシーズンになると雪化粧した津軽平野を一望できるため、シーズンごとにとっても見ごたえのあるスポットといえます。
ぜひ藤田記念庭園を訪れたら、こちらの借景式庭園から望む岩木山の景観を楽しんでみていかがでしょうか。
藤田記念庭園の見所その2:迫力ある滝を橋から望む池泉回遊式庭園
藤田記念庭園の見所その2は迫力ある滝を橋から望める池泉回遊式庭園<ちせんかいゆうしきていえん>です。
池泉回遊式庭園とは庭園の中にある池の周りをぐるりと散策できる庭園のことを指します。
紅葉の季節になると、藤田記念庭園にある池泉回遊式庭園の周りのきれいな紅葉が見どころの一つとなりますが、その中でもおすすめのスポットは庭園の中にある橋から望む滝です。
滝の瀑布と豪快な轟音に耳をそばだて、ゆっくりと歩きながら望む滝の景観は筆舌に尽くしがたいほどの迫力があります。
しかしながら冬季になるとこちらの池泉回遊式庭園が閉園になりますので、ご注意ください。
こちらの池泉回遊式庭園も見ごたえ抜群のおすすめスポットですので、借景式庭園と合わせてご覧ください。
藤田記念庭園の見所その3:庭園で開催されるイベントの数々
藤田記念庭園の見所その3は庭園で開催されるイベントの数々です。
例えば、3年程前まではハイカラ庭園と呼ばれるイベントを開催していました。
このイベントは、藤田記念庭園が大正10年に開園したため、大正ロマンを来園者に感じていただくことを目的として開催されました。
イベント時には、大正時代の学生が来ていた和装を来園者に着付けしたり、大正時代に走っていた車やバスの展示などを行ったり、園内全体が大正時代にタイムスリップしたような雰囲気になります。
このようなイベントを過去に行っていた藤田記念庭園ですが、今年は秋の名月会と呼ばれるイベントを開催していました。
秋の名月会は中秋の名月に合わせて開催されるイベントで、夜18時~20時まで開催。
園内をライトアップして、夜間の景観と秋の名月を、琵琶や尺八・篠笛の幻想的な演奏の中で楽しんでもらうイベントになっています。
中秋の名月会は毎年開催される時期が変更されますので、このイベントに参加したい方はHP〈http://www.hirosakipark.or.jp/hujita/〉をご覧ください。
藤田記念庭園の見所番外編:お抹茶点て体験
藤田記念庭園の見所番外編として、お抹茶点て体験<一人:1000円>も大人気です。
お抹茶点て体験は藤田記念庭園の和館で常時実施している体験です。
しかしお抹茶を点てたことないからこの体験に参加できないっていう人もいるかと思います。
そこはご安心ください。
はじめてお抹茶を点てる方でも、茶道の先生から教示を受けた藤田記念庭園のスタッフの方が懇切丁寧に教えてくださります。安心してお抹茶点て体験に参加していただければと思います。
お抹茶を点てた後は縁側に座って庭園の景色を楽しみながら、和菓子と一緒に飲めますので、ゆったりした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
コスプレイヤーにも有名な藤田記念庭園
今回紹介した藤田記念庭園には多くの観光客が訪れて賑わっていますが、実は観光客以外の方にも人気のスポットなのです。
いったいどのような方が訪れているのでしょうか。
それはコスプレイヤーさんです。
藤田記念庭園の和の景色と洋館等の建築物の景色がコスプレイヤーさんから非常に人気で、多くのコスプレイヤーさんが撮影場所として使用しているそうです。
アニメや漫画を知らない方でも一度は聞いたことがある鬼滅の刃が、日本全国を席巻して大人気になった際、多くのコスプレイヤーの方が藤田記念庭園に訪れて、撮影をしていたそうです。
このようにコスプレイヤーの方にも人気の高い藤田記念庭園。
ぜひコスプレイヤーの方も藤田記念庭園で、自分の好きなアニメのコスプレをして撮影してみてはいかがでしょうか。
一度離れたインバウンド観光客や国内観光客の方にも来てほしい
ここまで藤田記念庭園についていろいろと紹介しましたが、最後に今後についてもお聞きできましたので、紹介したいと思います。
社団法人みどりの協会藤田記念庭園担当者様「新型コロナウィルスが蔓延して、お客様が激減してしまい、とっても苦労しました。
しかしながら、現在では新型コロナウィルスもだいぶ落ち着きを見せ、弘前市内も観光客の足取りが少しずつ戻ってきている状況です。
そのため今後の展開としましては、お抹茶点て体験などを前面に押し出して、国内観光客だけでなく、海外の観光客の方にも楽しんでいただきたいと思います。
また上記のイベントだけでなく、新型コロナウィルスでできなかった大きいイベントを充実させて来園者の方に楽しんでいただける観光地としていきたいと思います。」と仰っていました。
今後もいろいろなイベントを開催して観光客を楽しませる藤田記念庭園。
弘前市を訪れたら藤田記念庭園を訪れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は弘前市にある藤田記念庭園について紹介しました。
余談ですが、借景式庭園と池泉式回遊庭園は春の季節になるとライトアップされて日中と違った幻想的な景色も望めますので、ぜひライトアップされた景観も楽しんでいただければと思います。
次回もネットに掲載していない弘前市の隠れた観光地や飲食店についてもいろいろと紹介してきますので、ぜひお楽しみに。
観光地名:藤田記念庭園
場所:青森県弘前市上白銀町〈弘前駅から車で約12分〉
開園機関:通年(11月24~翌年4月9日は冬期開園として高台部庭園のみ無料開園)
開園時間:9:00~16:30まで
※さくらまつり期間は午前9時~21時まで開園〈入園券の販売は20:30まで〉
入園料:
【単独券】「藤田記念庭園の1日入園券」
〇個人
・大人〈高校生以上〉320円
・子供〈小・中学生〉100円
〇団体
・大人〈高校生以上〉250円
・子供〈小・中学生〉80円
※団体券は10名様以上
【藤田記念庭園通年券】「藤田記念庭園の年間入園券」
〇個人
・大人〈高校生以上〉1,040円
・子供〈小・中学生〉310円
【共通券】
「弘前城〈本丸・北の廓〉弘前城植物園・藤田記念庭園の1日入園券」
〇個人
・大人〈高校生以上〉520円
・子供〈小・中学生〉160円
〇団体
・大人〈高校生以上〉470円
・子供〈小・中学生〉130円
※団体券は10名様以上
【共通通年券】「弘前城〈本丸・北の廓〉弘前城植物園・藤田記念庭園の共通通年券」
〇個人
・大人〈高校生以上〉2,090円
・子供〈小・中学生〉620円
HP:http://www.hirosakipark.or.jp/hujita/