【岩木山神社】見どころを現地レポート! お山参詣2026と大規模保存修理

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掲載日:2026年9月2日

津軽のパワースポットとして人気の岩木山神社は、津軽富士・岩木山そのものをご神体とする1200年以上の歴史をもつ神社です。


2026年のお山参詣は9月9日〜11日。


その直後から拝殿の保存修理が本格化し、境内の一部は長期間通行できなくなります。


お山参詣を前に、逆さ狛犬や御神水、歴史ある社殿など、今見ておきたい境内の見どころを現地からレポートします。


施設名

北門鎮護 岩木山神社   

場所

〒036-1343 青森県弘前市大字百沢字寺沢27

営業時間

境内自由
(授与所・ご祈祷の受付時間は公式サイトをご確認ください)  

電話

0172-83-2135

公式

・HP https://iwakiyamajinja.or.jp/

・Instagram
https://www.instagram.com/iwakiyamajinja/

その他

お山参詣2026年9月9日〜11日/無料駐車場あり



優美な岩木山は、津軽の象徴

(りんご公園から見た岩木山)
りんご公園から見た岩木山


岩木山(いわきさん)は、津軽の人たちにとって無くてはならない原風景の一角です。


弘前エリアから見ると、漢字の「山」にそっくりな山頂から優美に裾野を伸ばす単独峰。標高1624mは青森県の最高峰です。


太宰治の「津軽」をはじめ、津軽を描く文学や映画、マンガにもたびたび登場します。



おもしろいのは、見る場所によって山のかたちが変わること。


皆さん、自分の地元から見る岩木山が最高だとひっそり自負しているのだとか。


その岩木山、山そのものをご神体としてお祀りしているのが岩木山神社です。



今回、岩木山神社をご紹介するにあたり、権禰宜(ごんねぎ)の小野さんにお話を伺いました。



「お岩木さま」と親しまれて1200年

(杉木立の参道の先に立つ、朱塗りの楼門 2026年8月撮影)
杉木立の参道の先に立つ、朱塗りの楼門 2026年8月撮影


岩木山神社の歴史は、宝亀11年(780年)に岩木山の山頂へ社殿が建てられたことに始まると伝えられています。


延暦19年(800年)には坂上田村麻呂が山頂の社殿を再建して麓に下居宮(おりいのみや)を建立し、寛治5年(1091年)に現在の百沢の地へ移されました。


江戸時代には歴代の津軽藩主が造営を重ね、いま目にする社殿の姿が整えられています。


地元では「お岩木さま」「お山」と呼ばれ、人生の節目に手を合わせに来る人が絶えません。


筆者も他県から弘前に移住してきた十数年前、家族で「よろしくお願いします」と、お参りに行きました。



ちなみに、山は「いわきさん」ですが、神社は「いわきやまじんじゃ」。


地元の人でも意外と知らない、読み方の違いです。


お祀りされているのは、顕國魂神、多都比姫神、宇賀能賣神、大山祇神、そして坂上刈田麿命(坂上田村麻呂の父)の五柱です。



鳥居から山頂の奥宮まで、まっすぐ一直線

(一の鳥居の向こうに岩木山。2024年9月撮影)
一の鳥居の向こうに岩木山。2024年9月撮影


この神社、一の鳥居から社殿、そして山頂の「奥宮」までが、一直線に並ぶよう配置されています。


「山をご神体とする神社は全国にありますが、ここまで一直線に社殿が建てられているのは珍しいんです」と小野さん。


すっきりと晴れている日なら、肉眼でも鳥居から奥宮まで一望できます。


麓で手を合わせる、その目線の先に山頂の社。この神社ならではの眺めです。



五本杉、御神水、逆さ狛犬。境内の「パワースポット」

(一株から五本に分かれた御神木「五本杉」。2026年7月撮影)
一株から五本に分かれた御神木「五本杉」。2026年7月撮影


参道の途中、二の鳥居をくぐって右手にそびえる大きな杉に注目。


一つの株から五本の幹が分かれて伸びる「五本杉」は、五柱の神様に由来すると言われる御神木です。


幹の正面が一部だけつやつやと色が変わっているのは、長年、人々が手を当ててきた証です。

(三つの龍の口からダイナミックに流れ出す御神水。2026年7月撮影)
三つの龍の口からダイナミックに流れ出す御神水。2026年7月撮影


参道を上がっていくと、楼門の手前右手に手水舎があります。


県外から訪れた人がまず驚くのがここ。

龍の口から、水がザーッと豪快に流れ出しているのです。


その左右に掛けられている、長い柄の柄杓を使って手と口を清めます。


この水は、岩木山に降った雪が地中にしみこみ、およそ300年かけて湧き出した伏流水。

とても冷たくておいしく、ポリタンクを持って汲みに来る人もいるほどです。



ただし生水ですので、汲み置きする場合は必ず沸かしてから。下にたまった水ではなく、龍の口から出ているところでいただきましょう。


そして、楼門前の石段脇にいるのが「逆さ狛犬」。

(上を向く狛犬と、逆立ちして下を向く狛犬。全国的にも珍しい姿です。2026年8月撮影)
上を向く狛犬と、逆立ちして下を向く狛犬。全国的にも珍しい姿です。2026年8月撮影


石柱にしがみつくように、一体は上を向き、もう一体は逆立ちして下を向いています。

上向きは金運、下向きは恋愛運。


そう言われるようになったのは10年ほど前からで、実は神社が発信したものではありません。


「誰が言い出したんだろうと思いながら見ています。でも、そういうところから信仰が生まれることもあるかもしれませんね」と小野さん。



「井」の字のしめ縄、龍神様の幟


石段の上にそびえる楼門は高さ約18m、寛永5年(1628年)の建立。


くぐった先の拝殿は慶長8年(1603年)の建立で、境内で最も古い建物です。


どちらも国の重要文化財で、もとは百沢寺というお寺の山門と本堂でした。

(拝殿と、「井」の字に結ばれたしめ縄。2026年8月撮影)
拝殿と、「井」の字に結ばれたしめ縄。2026年8月撮影


拝殿の正面に掛かる大きなしめ縄は、鶴田町山道地区の方々が3年に一度奉納しているもの。


よく見ると、結び目が井戸の「井」の字のかたちになっています。


農家の方が多い地域だけに、「岩木山の水の恵みをいただき、水に困らないように」という祈りが込められているそうです。

(黒漆に極彩色の彫刻が施された中門。2026年8月撮影)
黒漆に極彩色の彫刻が施された中門。2026年8月撮影


拝殿の前に立つ中門、本殿の前の奥門、そして本殿を囲む瑞垣(みずがき)は元禄7年(1694年)の建造。


こちらも重要文化財で、日光東照宮から職人を招いて造られたと伝えられ、黒漆に金と極彩色の彫刻が施されています。

(末社・白雲大神社に並ぶ「白雲大龍神」の幟。2026年7月撮影)
末社・白雲大神社に並ぶ「白雲大龍神」の幟。2026年7月撮影


もうひとつ、近年の岩木山神社で外せないのが龍神様の信仰。


末社である白雲大神社のまわりには、白い幟(のぼり)がずらりと並びます。


「年々本数が増えていて、これからどこに立てればいいだろうと悩むほどなんです」と小野さん。


5月の龍神祭に合わせて作った龍神様のお守りも、予想を大きく上回る人気で、急いで追加発注したのだとか。

(今年大人気の龍神様のお守りと、夏休み期間に配布されていたホログラムシール。2026年7月撮影)
今年大人気の龍神様のお守りと、夏休み期間に配布されていたホログラムシール。2026年7月撮影

(稲荷大明神。2026年8月撮影)
稲荷大明神。2026年8月撮影


龍神様の白と対比するように、少し奥の方には赤い幟。


こちらは「稲荷大明神」の幟です。



創建1250年に向けて、大規模な保存修理が進行中

(拝殿ほか4棟保存修理工事の看板。2026年7月撮影)
拝殿ほか4棟保存修理工事の看板。2026年7月撮影


境内を歩くと、工事の看板やバリケードが目に入ります。


2030年に迎える創建1250年を節目として、約8年にわたる大規模な保存修理が進められているためです。

まずは拝殿、その後は楼門へ。


重機を通す道がなく、道路工事から始めたのだそうです。


「ここまでの規模の工事は、近年では例がないと思います」と小野さん。


めったに見られない修復の現場に立ち会えると思って、訪ねてみてください。

※拝殿の保存修理にともなうお知らせ

2026年9月14日から、拝殿の周辺と、白雲神社・稲荷神社へ向かう道が通行できなくなります(拝殿の工事が終わる2030年まで)。


白雲・稲荷神社へは、境内に設けられる遥拝所からお参りする形になり、奉納された幟も移設される予定です。


ご祈祷の場所も工事の進み具合によって変わります。


遥拝所の場所を含め、最新の状況は岩木山神社の公式サイトでご確認ください。


本記事の写真は2026年8月までに撮影したものです。



津軽の秋を告げる「お山参詣」2026年は9月9日〜11日

(お山参詣「宵山」2024年9月撮影)
お山参詣「宵山」2024年9月撮影


岩木山神社といえば、国の重要無形民俗文化財「岩木山の登拝行事」、通称「お山参詣」。


五穀豊穣と家内安全を祈って岩木山に集団で登拝する行事で、旧暦8月1日を最終日とする3日間にわたって行われます。


2026年は9月9日(水)・10日(木)・11日(金)です。


初日の「向山(むかいやま)」は、多くの人が参道を上ってお参りする日。


2日目の「宵山(よいやま)」が中日で、お山参詣のハイライトです。


白装束や揃いの法被姿の人たちが笛・鉦・太鼓のお囃子に合わせ、「サイギサイギ」「ドッコイサイギ」と唱えながら、大きな幟を掲げて参道を進みます。


最終日の「朔日山(ついたちやま)」は、未明に山頂を目指して出発し、ご来光を拝みます。


初めて見るなら、おすすめは断然、中日の宵山。

それも午前中からお昼前後です。


「団体によっては5〜6m以上ある大きな幟でパフォーマンスをして、観客を沸かせています」と小野さん。


早い団体は朝7時半ごろに到着し、午後3時ごろには一通り終わるとのことです。


その後、夕方から夜にかけては登山囃子の大会も開かれ、一般の人も自由に見学できます。


隊列に加わってみたい方は、岩木山観光協会が主催する「レッツウォークお山参詣」も。


ただし、募集は例年7月下旬から8月中旬までで、2026年の募集は既に終了しています。



なお、朔日山で山頂を目指す道は、麓から4〜5時間かかる修験の道。


8割ほどの人は津軽岩木スカイラインとリフトで9合目まで上がり、そこから山頂を目指すそうです。


境内にある百沢登山道の入口は工事のため封鎖されていますが、お山参詣の3日間は開放されます(12日以降は再び封鎖、迂回路の利用になります)。


当日は登山者の安全を祈願する祓所も拝殿前に設けられます。



参拝のあとは、嶽きみと門前のお店で

(一の鳥居前、駐車場の売店エリア。夏はとうもろこしの直売所も並びます。2026年8月撮影)
一の鳥居前、駐車場の売店エリア。夏はとうもろこしの直売所も並びます。2026年8月撮影


参拝を終えたら、一の鳥居の前に広がる売店エリアへ。


お土産物屋さんが並び、暑い日はリヤカーのアイス屋さんに人が集まります。



参道の横にある「湯元岩木温泉 食堂部 そば処 凧」の中華そばも外せません。

長年この場所で親しまれてきたお店です。



そして8月下旬から9月にかけては、岩木山麓の名産「嶽きみ」のシーズン。

街道沿いに直売の小屋が立ち並び、「嶽きみ渋滞」ができるほどの人気です。



朝早くから岩木山に向かい、お参りをしてから嶽きみを買って帰る。

これが地元流のコースです。



アクセスと、訪ねるときのポイント

(二の鳥居をくぐってすぐ左手にある奥富士出雲神社。参道にはこうした社や石碑が点在しています)
二の鳥居をくぐってすぐ左手にある奥富士出雲神社。参道にはこうした社や石碑が点在しています。2026年8月撮影


岩木山神社へは、弘前市街地から車で30分ほど。


無料の駐車場があります。


公共交通機関の場合は、弘前駅前のバスのりばから弘南バスに乗り、「岩木山神社前」で下車すればすぐです。


境内は自由に参拝できます。


本殿は神様がお鎮まりになる場所ですので、お参りは拝殿で。


ただし保存修理中は参拝場所が変更されますので、公式サイトの確認を。


近年は周辺でクマの目撃情報もありますが、「境内で見たという話は、これまで聞いたことがないですね」とのこと。


とはいえ、山に近い場所へ足を伸ばすときは最新の情報をご確認ください。


一直線に並ぶ鳥居の向こうに山頂を見上げ、300年前の雪解け水で喉をうるおす。


9月のお山参詣の3日間は、現在の拝殿周辺の姿を見られる節目でもあります。


創建1250年に向けて動いている岩木山神社へ、ぜひ足を運んでみてください。

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