【土手の珈琲屋 万茶ン】太宰治も通った喫茶店 文豪の愛した珈琲とこだわり空間

カフェ・スイーツ

掲載日:2023年3月17日


弘前市土手町とお隣の鍛冶町を結ぶ小路、通称「かくみ小路」。 


かくみ小路を土手町側から入ってすぐの左手に、半分にカットされたコントラバスが店先に置かれた、不思議なお店があります。 


そこが「土手の珈琲屋 万茶ン」です。 


今ではなかなか見かけなくなった、レトロでおしゃれな昔ながらの喫茶店、といった雰囲気の入口になっています。 


今回はそんな「土手の珈琲屋 万茶ン」の店内の様子やメニューについてご紹介します。 


太宰治も通った 土手の珈琲屋 万茶ン


引用:万茶ン (土手の珈琲屋 万茶ン)(@manchan_1929)



弘前で珈琲は古くから親しまれ、その歴史は160年以上前に遡ります。 


当時幕府の命令により北方警備のため、弘前藩士が蝦夷地(現・北海道)を訪れた際、浮腫病の予防薬として配給されたのが珈琲でした。 


庶民としては日本で初めて珈琲を飲んだと言われています。 


これをきっかけに大正から昭和にかけて弘前市内で珈琲が流行。 
現在も弘前市内には歴史ある喫茶店が数多く残っています。 


中には江戸時代に弘前藩士が薬として飲んだ珈琲を再現した「藩士の珈琲」を提供している喫茶店もあります。 



そんな「珈琲の街」弘前に万茶ンがオープンしたのは昭和4年。 


初代が現店舗の近くに初めて出店してから今年で94年目を迎える歴史のある喫茶店です。 


初代の妻・カネさんは子どもの頃にアメリカ・ロサンゼルスで過ごし、そこで覚えた美味しいコーヒーの淹れ方を活かしお店の切り盛りをしていたそうです。 


「万茶ン」という不思議な店名は「何『万』人のお客様に、お『茶』を差し上げて、お客様にも店にも『ン(運)』がつくように」という意味を込めて、初代マスターが付けたとのこと。 


その歴史は東北では最古。


日本でも4番目に古いとされており、古くから弘前市民に愛されてきたことがわかります。 



その中には旧制弘前高校時代の太宰治や洋画家阿部合成、作家石坂洋次郎なども来店し、珈琲を楽しんだことでも知られる名店です。 


店内には当時の太宰治の写真が飾られています。 


また「走れメロス」をはじめとする太宰治の小説が数多く置かれていて、コーヒーを飲みながらその作品を読むこともできます。 


太宰治ゆかりの店ということで、県外からもこのお店を訪れる人が多くおり、ここでしか飲めない自慢の珈琲を楽しんでいます。 


時間の流れがゆっくり感じられる落ち着いた雰囲気


引用:万茶ン (土手の珈琲屋 万茶ン)(@manchan_1929)


店内にはクラシックが静かに流れ、落ち着いた雰囲気でとてもリラックスできます。 


その中には、創業当時から変わらない華やかなシャンデリアやゼンマイ式の掛け時計などが飾られており、お店の歴史を感じることができます。 


また、店のシンボルとも言える大鵬のレリーフの重厚感が、より時代を感じさせます。 


このレリーフは昭和初期に旧制弘前高校の学生から贈られたものだそうです。 


昔ながらの雰囲気を残しつつ店内はとても清潔感があり、そこも居心地が良いポイントです。 


美味しいコーヒーを飲みながら、クラシックとお店のレトロな雰囲気を感じていると時間が過ぎていくことを忘れ、ゆったりとした時間を過ごすことができるでしょう。 


歴史のある喫茶店で敷居が高いと思われがちですが、マスターと話す人、友人同士でおしゃべりを楽しんでいる人も多く、重苦しい雰囲気や静かにしなくてはいけないといった圧は全く感じません。 


もちろん一人でゆっくり過ごしている方も多く、それぞれにとって居心地の良い空間を作り出しています。 


その居心地の良さが地元の方に愛されている理由と言えるでしょう。 


そのため、初めての方でも安心して立ち寄ることができます。 


無料Wi-Fiもあるので静かな場所で作業をしたい人にもオススメです。 


文豪の愛した味 昭和の珈琲 太宰ブレンド


引用:土手の珈琲屋 万茶ン (manchan.jp)



土手の珈琲屋 万茶ンのイチオシはなんと言っても本格的な味わいの珈琲です。 


太宰ブレンドは太宰治が愛した珈琲のレシピを二代目マスターが残しており、それを参考にブラジルやジャバロブスターをブレンドし当時の味が再現された珈琲になっています。 


その味はレトロな時代を思い起こさせるほろ苦い味わいが特徴ですが、苦味はそれほど強くなく、飲みやすい上品な苦味です。 


普段はあまり苦いコーヒーを飲まない人にもぜひ飲んでいただき、普通のコーヒーとの違いを感じてもらいたいです。 


目の前で万茶ンのロゴの入ったカップにコーヒーを注いでくれて、サイフォンに残ったコーヒーはそのまま自由におかわりすることができます。


苦味が得意ではない人は スペシャルブレンド弘前


スペシャルブレンド弘前は創業当初の伝統を受け継ぎつつ、二代目マスターが考案したブレンドです。 


このスペシャルブレンド弘前は戦後に昭和天皇皇后両陛下が弘前市を御巡幸の際にお召し上がりになりました。 


また、小説家の石坂洋次郎さんも飲まれていたそうです。 


その味は薫り高く柔らかな酸味と深いコクが特徴で、こちらもサイフォン式のコーヒーでおかわり自由。 


苦味のあるコーヒーが得意でない方にはこちらがオススメです。 


コーヒーと一緒にケーキやアイスクリームも


 引用:土手の珈琲屋 万茶ン (manchan.jp)



フードメニューはケーキセットとコーヒーバニラ太宰があり、苦味のある珈琲と一緒に注文すると相性抜群です。 


ケーキセットはアップルパイ、アップルショコラ、チーズケーキの3種の中から1つ選ぶことができます。 


その中でもとくに弘前の名産品であるりんごを使ったアップルパイが人気です。 


中にはごろごろしたりんごがぎっしりと入っており、りんごの程良い甘さと酸味の中に香るシナモンがさらにりんごの美味しさを引き出してくれます。 


もちろんアップルショコラとチーズケーキもとても美味しいので日によってケーキの種類を変えて楽しんでみてください。 


コーヒーだけでなく、フードも楽しめるのは嬉しいですね。 


美味しい珈琲をご家庭でも オンライン販売も実施


引用:土手の珈琲屋 万茶ン (manchan.jp)



土手の珈琲屋 万茶ンでは看板メニューの「太宰ブレンド」「スペシャルブレンド弘前」のギフトパックとドリップトップのオンライン販売を実施しています。 


なかなかお店に行くのは難しいけれど太宰治の愛した珈琲を飲んでみたい人、お店で飲んだ万茶ンの味を自宅で気軽に楽しみたい人などは公式ホームページからいつでも気軽に購入することができます。 


その味はもちろん、デザインもおしゃれなので贈りものとしてもぴったりです。 


気になった方はぜひオンライン販売もチェックしてみてくださいね。 


まとめ

いかがでしたか。


今回は「土手の珈琲屋 万茶ン」について紹介しました。 


コーヒーが好きな人、太宰治や歴史が好きな人はもちろん、弘前市内でゆっくりとした時間を過ごしたい人にはぜひ行ってほしい喫茶店です。 


美味しいコーヒーと94年に渡って愛された素敵な空間があなたを癒してくれるでしょう。 



店名

土手の珈琲屋 万茶ン 

場所

〒036-8182 青森県弘前市大字土手町36-6 

営業時間

12:00~19:00(L.O18:30)

定休日

日曜日、ほか不定休

電話

0172-55-6888

公式

・Instagram 
https://www.instagram.com/manchan_1929_5th/

その他

提携駐車場あり

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