【旧岩田家住宅・旧笹森家住宅】弘前市の隠れた名所・藩政時代の重要文化財・県重宝建造物を紹介!

弘前市には明治・大正時代の建造物がたくさんありますが、今回紹介するのは弘前市にある県重要建造物「旧岩田家住宅」と重要文化財「旧弘前藩諸士住宅(旧笹森家住宅)」です。 

「旧岩田家住宅・旧笹森家住宅」は藩政時代に建築された住宅です。 

その見所について、ネットに乗っていない情報を交えながら紹介していきます。 


藩政時代に建てられた旧岩田家住宅・旧笹森家住宅



「旧岩田家住宅・旧笹森家住宅」の見所を紹介する前に、こちらはいったいどのような住宅なのかについて紹介したいと思います。 

まずは旧岩田家住宅について紹介します。 

旧岩田家住宅は1799年~1806年の間に建てられた中・下級武士が住んでいた住宅とされています。 

1799年~1806年頃の江戸時代の絵図が現存しており、その絵図へ旧岩田家住宅が描かれていることから、その年代に建てられたと考えられています。 


次に旧笹森家住宅について紹介します。 

旧笹森家住宅は宝暦6年〈1756年〉には建築されていたとされています。 

旧笹森家住宅は建築された年代が比較的はっきりとしていますが、その理由は弘前藩が残した資料である「御家中屋舗建家〈ごかちゅうやしきたてやず〉」と呼ばれる史料に記載されているからです。 

どちらも江戸時代の武家住宅の趣を今に伝える建造物です。 


旧岩田家住宅の見所:当時の中級武士の住居の雰囲気がわかる


 


まずは旧岩田家住宅の見所を紹介していきたいと思います。

旧岩田家住宅の見所は、江戸時代後期の中級武士の住まいがわかる点です。 

旧岩田家住宅は幾度か改築されていますが、江戸時代後期の状態に復原されています。 

また旧岩田家住宅には座敷に面した前庭や裏庭があり、こちらも江戸時代後期の暮らしぶりが味わえるスポットになっています。 

 

さらに旧岩田家住宅にはサワラ生垣があり、当時の暮らしの雰囲気が分かります。 

このように現存箇所の多い旧岩田家住宅。 

当時の武家住宅の基本構造がわかる貴重な建造物ですので、ぜひ弘前へ遊びに来たら、こちらを見学してみてはいかがでしょうか。 


旧岩田家住宅の見所:四季折々の景観が楽しめる



旧岩田家住宅は、四季折々の景観を楽しむことができます。 

春には桜が咲き誇り、秋には庭園や敷地内の樹木が紅葉し、それぞれの季節に色づいた木々と武家住宅とが一体となった景色を楽しむことができます。

春夏秋冬いつ訪れても、その時々の自然の景観が楽しめるそうです。 

上記は映えるフォトスポットとしても非常に人気ですので、ぜひこちらも実際に訪れてみはいかがでしょうか。 


旧笹森家住宅の見所:仲町伝統的建造物群保存地区最古の武家住宅



ここからは旧笹森家住宅の見所について紹介していきたいと思います。 

旧笹森家住宅の見所は、仲町伝統的建造物群保存地区の中で最古の武家住宅であることです。 

上記で紹介した岩田家よりも古く、江戸時代中期に建てられた座敷や常居〈じょい〉などを復原し保存されている貴重な建築物です。 

簡素な床や閉鎖的な壁面構造などから、江戸時代中期の武家住宅の雰囲気を味わうことができます。 


住宅内には武家の甲冑や刀のレプリカも展示しているため、特に武具が好きという方にはたまらないのではないでしょうか。 

さらに庭にはクリの木や小さい畑があり、当時の武士たちが自分たちで農作物を育てて食料にしていたことがうかがえます。 

このように旧笹森家住宅では江戸時代中期の武士の暮らしを味わうことができます。 


旧笹森家住宅の見所:弘前藩の武家住宅の工夫



旧笹森家住宅のもう一つの見所は弘前藩ならではの住宅構造です。 

旧笹森家住宅は弘前藩の施策の一環として、藩によって建築された建物です。 

その際、旧笹森家住宅のある部分に工夫を施しています。 


それは屋根です。 

旧笹森家住宅の屋根には銅板葺きと呼ばれる施行方法が用いられています。 

なぜこのような方法を旧笹森家住宅に用いたのでしょうか。 

弘前市内は冬の季節になると屋根に多くの雪が積もってしまいます。 

そのため屋根に雪が積もらないように、屋根から雪を除雪する作業をしなくてはなりませんが、銅板葺きにすると雪が滑りやすく地面に落ちていくため、雪を屋根から降ろす作業をしなくて済むそうです。 

ただし、江戸時代には長柾葺きの屋根でしたが、近代以降に旧笹森家を復原する際、上記の理由から銅板葺きにしたそうです。 
 

旧笹森家住宅は旧梅田家住宅・旧伊東家住宅・旧岩田家住宅の四棟の中で、唯一国の重要文化財に指定された住宅です。 

邸内の見学だけでなく、屋根にも着目すると当時の雰囲気が味わえます。 


未来にも残していける地域にしていきたい



今回は旧岩田家住宅と旧笹森家住宅について紹介しました。 

最後に仲町伝統的建造物群保存地区に関連する業務を担当している弘前市文化財課の方に、今後の展望についてお話を伺い出来ましたので紹介したいと思います。 


弘前市文化財課「旧笹森家住宅や旧岩田家住宅・旧伊東家住宅・旧梅田家住宅の四棟は観光客の方もあまり知っている方が少ないのが現状です。 

弘前市内に住んでいる方も弘前城近くにある上記の四棟のことを知っている方もいらっしゃいますが、実際に来たことがないという方が大半です。 

そこで今後の展望としましては弘前市を訪れる観光客だけではなく、弘前市内の方にもこちらの四棟の旧武家住宅を見学していただきたいと思っています。 

また弘前市内の小中高生の子供たちにも弘前市内にこのような武家住宅が残っていることを伝えていきながら、未来にもこちらの四棟を残していきたいと思っています。」と仰っていました。 


武家住宅のある仲町伝統的建造物群保存地区は、住宅地でもあり、地区住民にとっては日常生活の場でもあるため、観光客だけでなく地区住民の生活にも配慮することが重要です。 

今回紹介した四棟は弘前城近くにありますので、弘前城での大きなイベントを訪れた際は、こちらにもゆったりと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。 


まとめ


今回は旧笹森家住宅や旧岩田家住宅について紹介しました。 

余談ですが、今回紹介した公開武家住宅4棟にはガイドさんがいます。 

そのためガイドさんの説明を受けながら、住宅内を見学するとより深く武家住宅の歴史に触れることができますので、オススメです。 

また旧岩田家住宅や旧笹森家住宅がある仲町伝統的建造物群保存地区は閑静でのどかな町並みを残しているため、街並みを散策しながら景観を見学するのもありかもしれませんね。 
弘前市内は伝統的建築物や観光地などまだまだいっぱいある街です。
今後もネットに乗っていない情報を交えながら紹介していきたいと思います。 
次回もお楽しみに。 
 

〇施設名:旧笹森家住宅・旧岩田家住宅 

〇場所:旧笹森家住宅 弘前市若党町72〈弘前駅から車で約10分〉 

    旧岩田家住宅 弘前市若党町31〈弘前駅から車で約8分〉 

〇営業時間:ともに 10:00~16:00(1月4日~12月27日) 

〇休館日:旧岩田家住宅 

      4月~6月/無休 

      7月~10月/月曜日・木曜日

      11月~3月/水曜日~日曜日

      8月13日、12月29日~1月3日

      ※ねぷたまつり、菊と紅葉まつり、雪燈籠まつり期間中は無休 

      旧笹森家住宅 

      4~6月 無休 

      7~10月  月・木曜日 

      11~3月  月・火・金・土・日曜日 

      8月13日 、12月29日~1月3日 

      ※弘前ねぷたまつり、菊と紅葉まつり、雪燈籠まつり期間中は無休

〇公式:旧岩田家住宅HP 

     https://www.hirosaki-kanko.or.jp/details.html?id=CNT00403281652247984 

   旧笹森家住宅HP

     https://www.city.hirosaki.aomori.jp/gaiyou/bunkazai/kuni/2016-1124-1331-74.html 

〇入館料:無料 



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